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売り時を教えてくれる指標は存在しない。存在するのは、売ってよい理由のリストだけである。
買うときの基準を持っている人は多い。売るときの基準を持っている人は少ない。
投資信託を売っていい理由は ①使う予定が来た ②商品の前提が変わった ③資産配分が崩れた の 3 つ。「下がりそうだから」「十分上がったから」はここに含まれない。相場予想を根拠に売ると、買い戻す判断まで必要になり、成功率が下がる。
売っていい 3 つの理由

① 使う予定が来た
住宅の頭金、教育費、老後の生活費。当初その資金を何に使う予定だったかが到来したなら、売るのは目的の達成である。
この場合、相場が高いか安いかは判断に関係しない。使う時期は延期できないからだ。だからこそ、使う時期が近い資金は事前に現金へ移しておく必要がある。
② 商品の前提が変わった
保有しているファンド自体に変化があった場合である。
- 信託報酬が引き上げられた
- 連動する指数が変更された
- 運用方針が変わった
- 純資産が大きく減り、繰上償還のおそれが出てきた
- より低コストで同じ指数に連動するファンドが登場した
いずれも買った理由が消えたケースである。これは相場の予測ではなく事実の確認なので、判断に迷いが生じにくい。
③ 資産配分が崩れた
株式が上昇し続けると、放置していても株式の比率は上がっていく。当初決めた配分から離れたときに元へ戻すのがリバランスである。
これは「上がったから売る」ではなく「比率を戻すために売る」という別の行為である。売る金額が配分によって機械的に決まる点が違う。
「下がりそうだから売る」がうまくいかない理由
売る判断が当たっても、買い戻す判断が外れれば意味がない。判断の回数が 2 倍になる。
相場が下がると予想して売った場合、その後に必要なのはいつ買い戻すかという 2 つ目の判断である。
実際には、下落が始まると「まだ下がる」と考えて買えず、上昇に転じると「戻ってから買うのは悔しい」と考えて買えない。売った時点より高い水準で買い直すことになるのが典型的な結末である。
NISA の売却枠は翌年復活する
NISA 口座で売却する場合、非課税枠は復活するが翌年である。復活するのは取得時の価額(簿価)に対応する分に限られる。
つまり同一年内に売って買い直すという運用は制度上できない。この点も、安易な売却を避ける理由になる。
売る前に確認すること
- 売る理由が 3 つのどれに当たるか言葉にするどれにも当てはまらないなら、それは相場予測である。
- 使う時期が決まっている資金かを確認する決まっているなら、売却ではなく事前の現金化の問題として扱う。
- NISA か課税口座かを確認する課税口座なら約 20% が課税される。NISA なら非課税だが、枠の復活は翌年になる。
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よくある質問
- 投資信託はいつ売ればいいですか?
- 売っていい理由は「使う予定が来た」「商品の前提が変わった」「資産配分が崩れた」の3つです。相場が下がりそう・十分上がったという理由は、相場予測にもとづく判断になります。
- 利益が出たら売って利益確定すべきですか?
- 利益確定そのものが目的なら、その後に買い戻す判断が必要になります。使う予定がないのであれば、売る必然性はありません。
- NISAで売却した枠はいつ使えますか?
- 翌年に復活します。復活するのは取得時の価額に対応する分で、同一年内に売って買い直すことはできません。
- 信託報酬が上がったら売るべきですか?
- 買った理由が低コストであったなら、前提が変わったことになります。ただし課税口座では売却益に課税されるため、乗り換えのコストと比較して判断してください。
本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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