為替ヘッジはあり・なしどちらを選ぶか — コストの正体と判断基準

為替ヘッジはあり・なしどちらを選ぶか — コストの正体と判断基準

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投資の基本 07 / 為替

「為替リスクを避けられます」という説明には、その対価が書かれていないことがある。

為替ヘッジは保険ではなく取引である。保険料に相当するコストが、内外の金利差として発生する。

外国の資産に投資する投資信託には、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の二つが用意されていることがある。同じ指数に連動していても、この違いで結果は変わる。

目次

何が違うのか

Fig. 為替ヘッジの有無による違いFig. 為替ヘッジの有無による違い|ヘッジは為替の影響を抑える代わりに、内外金利差に相当するコストを負担する。
ヘッジは為替の影響を抑える代わりに、内外金利差に相当するコストを負担する。

ヘッジなしの場合、円安が進めば円建ての評価額は上がり、円高が進めば下がる。指数そのものの値動きに、為替の変動が上乗せされる形になる。

ヘッジありの場合は為替の影響が抑えられ、投資対象の値動きに近い結果となる。ただしヘッジコストが発生する。

ヘッジコストの正体

ヘッジコストは、おおむね日本の金利と投資先の国の金利の差で決まる。日本の金利が相手国より低いほど、コストは大きくなる。

これは為替の予想が当たるかどうかとは無関係に、保有している限り発生し続ける費用である。信託報酬とは別に効いてくる。

金利差が変われば、コストも変わる日本の金利が上昇し、内外金利差が縮小すれば、ヘッジコストも縮小する。「ヘッジは常に高い」という前提も固定的ではない。判断の際は現時点の金利環境を確認する必要がある。

長期の資産形成でヘッジなしが選ばれやすい理由

  1. コストが確実に発生する——為替がどちらに動くかは不確実だが、ヘッジコストは確実にかかる
  2. 生活が円建てである一方、資産は分散したほうがよい——支出が円なら、資産の一部を外貨建てで持つことは分散として機能する
  3. 期間が長いほど為替の影響は相対的に小さくなる——数十年の運用では、投資対象そのものの成長のほうが結果を左右する

円高になったときに評価額が下がるのは、外貨資産を持っていることの結果であって、失敗ではない。

ヘッジありが向く場面

一方で、ヘッジありが合理的な場面も存在する。

  • 使う時期が決まっている——数年後に使う予定の資金なら、為替変動の振れ幅を抑える意味がある
  • 債券に投資する場合——債券は値動きが小さいため、為替変動のほうが大きくなりがちで、何に投資しているのか分からなくなる
  • 為替の変動に耐えられない——評価額の上下で判断が乱れるなら、コストを払ってでも抑える価値はある

判断の手順

  1. その資金をいつ使うか決める数十年先なら為替の影響は相対的に小さくなる。数年以内に使うなら振れ幅を抑える意味が出てくる。
  2. 投資対象が株式か債券かを確認する株式は値動きが大きいため為替の比重は相対的に低い。債券では為替の影響が支配的になりやすい。
  3. 現在の金利差を確認するヘッジコストは固定ではない。金利環境が変われば判断も変わる。

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よくある質問

為替ヘッジありとなしはどちらを選ぶべきですか?
長期の資産形成ではヘッジなしが選ばれることが多いです。ヘッジコストが確実に発生する一方、為替の方向は不確実であり、生活が円建てである以上、資産を外貨建てで持つことは分散として機能するためです。
為替ヘッジのコストはどれくらいですか?
おおむね日本の金利と投資先国の金利の差で決まります。金利差が大きいほどコストは大きく、金利差が縮小すればコストも縮小します。固定的な数値ではありません。
円高になると外国株の投資信託は損をしますか?
ヘッジなしの場合、円建ての評価額は下がります。ただし投資対象そのものの価値が下がったわけではありません。円安局面では逆に評価額が上がります。
債券でも為替ヘッジなしでいいですか?
債券は値動きが小さいため、為替変動の影響が相対的に大きくなります。債券に期待する安定性を重視するなら、ヘッジありを検討する意味があります。

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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