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お金の勉強 第 2 回 / 対話
窓口で勧められた商品は、なぜか自分で選んだ商品より良く見える。説明してもらった分だけ、納得した気になるからだ。
第 2 回のテーマは勧誘への対処。断り方を覚える必要はない。3 つ質問すれば、答えは自然に出る。
結論
勧められた商品はその場で買わない。判断は 3 つ聞けば足りる。①信託報酬は年何 %か ②購入時手数料はかかるか ③何の指数に連動するか。即答できない、または答えを濁されるなら、持ち帰って調べればいい。今日買わないと損をする商品は存在しない。
先生、給与振込の銀行に行ったら、窓口で投資信託を勧められました。丁寧に説明してくれて、悪い商品には思えなかったんですけど……。
ああ、悪い商品だとは言っていない。ただな……「丁寧に説明された」ことと「良い商品である」ことは、驚くほど関係がない。
それは……そうですね。
むしろ気にすべきはこうだ。説明に時間をかけられる商品ほど、説明する側の取り分が大きい傾向がある。手数料が薄い商品に人件費をかけて説明していたら、その窓口は赤字になる。
目次
3 つ質問すれば判断できる


じゃあ、勧められたら全部断ったほうがいいんですか?
いや、そこまで極端にしなくていい。断るのは気まずいだろう。私だって気まずい。だから 3 つ質問しろ。それで勝手に答えが出る。
3 つですか。
一つ目。「信託報酬は年何 % ですか」。これは保有している間ずっと引かれ続けるコストだ。低コストのインデックスファンドなら 0.1% 台もある。1% を超えるなら、その差額に見合う理由を説明してもらえ。
0.1% と 1% って、そんなに違いますか?
10 倍だ。……そう言うと大げさに聞こえるか。毎年 0.9% の差が 20 年、30 年と積み上がる。あなたが探している「良いファンド」の差より、この差のほうがはるかに確実に効く。
二つ目。「購入時手数料はかかりますか」。ネット証券では 0 円が当たり前になっている。かかると言われたら、それが何に対する対価なのかを聞け。
三つ目。「何の指数に連動しますか」。これに即答できないか、仕組みが複雑で説明が長くなるなら、あなたはその商品を理解していない。理解していないものを買う理由はない。
答えてもらえなかったらどうすれば?
その場で決めない。持ち帰って商品名で調べればいい。目論見書に全部書いてある。そして——今日買わないと損をする投資信託というものは存在しない。
なぜ高コストの商品が勧められやすいのか
でも、わざと悪い商品を勧めることってあるんですか?
誤解しないでほしいが、「悪意がある」という話ではない。構造の問題だ。あの人たちも仕事でやっている。
窓口には人件費も店舗費もかかる。それを賄えるのは手数料の厚い商品だ。売る側が悪人である必要はない。仕組みがそうなっているだけだ。
なるほど……。
だからネット証券は取扱本数が多く、コストも低い。説明してくれる人がいない代わりに、安い。どちらを取るかという話であって、片方が悪というわけではない。
比較の材料取扱本数やクレカ積立の有無を含めた比較は積立投資は銀行と証券会社どちらで始めるべきかにまとめています。ファンドを見るときの評価軸はeMAXIS Slim はなぜ定番とされるのかを参照してください。
よく出てくる誘い文句
| 言われること | 確認すること |
|---|---|
| 「毎月分配金が受け取れます」 | 分配金は運用資産から払い出される。受け取ると基準価額は下がる |
| 「元本確保型なので安心です」 | 確保の条件と、その代わりに何を差し出しているか(コスト・拘束期間) |
| 「プロが厳選して運用します」 | 信託報酬が何 % か。過去の実績は将来を保証しない |
| 「今が買い時です」 | 買い時が分かる人はいない。急がせる理由のほうを疑う |
| 「保険と一体で入れます」 | 保障と運用を分けたときの合計コストと比較する |
「毎月分配金が受け取れます」は、良さそうに聞こえました。
そう聞こえるように作られているからな。よくできている。ただ、少し考えてほしい。その金はどこから出ていると思う。
……運用の成果、ですよね?
そのファンドの資産からだ。払い出した分だけ基準価額は下がる。財産が増えたわけではなく、位置が移動しただけだ。しかも資産形成の段階では、外に出さず再投資したほうが有利になる。
知らないと完全に誤解しますね……。
ついでに言うと、毎月分配型は NISA の成長投資枠では買えない。制度側が長期の資産形成に向かないと判断して外している。
分配金の仕組み普通分配金と元本払戻金の違いは分配金は「もらえるお金」ではないで解説しています。
今日のまとめ
- 勧められた商品はその場で買わない。持ち帰って調べれば済む
- 聞くのは 3 つ。信託報酬・購入時手数料・連動する指数
- 答えられない、濁されるなら、それ自体が判断材料
- 高コスト商品が勧められやすいのは悪意ではなく構造の問題
- 「毎月分配金」は増えているわけではない。基準価額が下がる
- 今日買わないと損をする投資信託は存在しない
3 つ聞くだけなら、私にもできそうです。
それでいい。断る技術はいらない。質問する習慣があればそれで足りる。私も昔から人に強く出るのは苦手でな。質問なら角が立たない。次は「結局どれを買えばいいのか」という、あなたが本当は最初に聞きたかった話をしよう。
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よくある質問
- 銀行で勧められた投資信託は買ってもいいですか?
- その場で決めず、信託報酬・購入時手数料・連動する指数の3点を確認してください。即答できない場合は持ち帰って目論見書で調べれば判断できます。
- 信託報酬は何%が目安ですか?
- 低コストのインデックスファンドでは0.1%台のものがあります。1%を超える場合は、その差に見合う理由を確認してください。保有している間ずっとかかるコストです。
- 毎月分配型の投資信託はお得ですか?
- 分配金はファンドの資産から支払われるため、受け取った分だけ基準価額が下がります。資産形成の段階では再投資されるタイプのほうが有利です。なおNISAの成長投資枠では対象外とされています。
- 窓口で「今が買い時」と言われたらどうすればいいですか?
- 買い時を正確に判断できる人はいません。急がせる理由のほうを疑ってください。今日買わないと損をする投資信託は存在しません。
本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。









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