今週の日経平均は何が起きた? — 4%上昇の裏で半導体だけ−15.8%【お金の勉強 第6回】

今週の日経平均は何が起きた? — 4%上昇の裏で半導体だけ−15.8%【お金の勉強 第6回】

読了時間の目安約 11 分5,240 字

お金の勉強 / 第 6 回

金曜だけを見れば大勝ち。月曜から数えると、少し負けている。

日経平均 +4.03% の裏で、日本の半導体は 5 日で −15.8%。「指数が上がった」と「自分の資産が増えた」がなぜ一致しないのかを説明します。

結論

日経平均は 7 月 31 日に 前日比 2,494 円高(+4.03%)の 64,362 円で引けた。ただし週間では −249 円(−0.39%)でほぼ横ばいである。週の中で 2,744 円下げ、最終日に 2,495 円戻した結果にすぎない。上昇の材料は米テック企業の good な決算——マイクロソフトは 5 営業日で +21.0%。しかし中身はばらばらで、日本の半導体株は同じ 5 日間で −15.8% と取り残されている。「日経平均が上がった」は、あなたの資産が増えたことを意味しない。

このシリーズは、最近 NISA を始めたばかりのわたしが、疑問をそのまま先生にぶつける形で進めます。先生は正確ですが、口は悪いです。

この記事の位置づけ2026 年 7 月 27 日〜31 日の週の記録です。相場の予測や売買の推奨ではありません。米国市場の数値は 7 月 30 日終値までを扱っています(日本時間の関係で 7 月 31 日の米国終値は本記事の対象外)。
金曜にニュースで「日経平均 2,494 円高」ってやってて、すごい上がったんだなと思ったんですけど。
Claude
その日は確かに上がりました。+4.03%ですから立派なものです。
じゃあ今週は good な週だったんですね。
Claude
週間では −249 円です。
……え?
Claude
マイナスです。−0.39%。金曜だけを見れば大勝ちですが、月曜から数えると、ほんの少し負けています。
どういうことですか。
Claude
週の途中で 2,744 円下げて、最後の日に 2,495 円戻した。それだけの話です。ニュースは「戻した日」を報じます。下げていた 4 日間は、あなたが見ていなかっただけです。
目次

今週の日経平均を数字で追う

Fig. 今週の日経平均Fig. 今週の日経平均|7/24 終値 64,611 円 → 7/30 終値 61,867 円(先週末比 −2,744 円)→ 7/31 終値 64,362 円(前日比 +2,495 円)。週間では −249 円。
7/24 終値 64,611 円 → 7/30 終値 61,867 円(先週末比 −2,744 円)→ 7/31 終値 64,362 円(前日比 +2,495 円)。週間では −249 円。
日付終値前日比できごと
7 月 24 日(金)64,611.15 円−1,811.45 円先週末。長い上ヒゲを引いた形
7 月 29 日(水)FOMC が政策金利を据え置き(5 会合連続)
7 月 30 日(木)61,867.43 円週の安値圏。先週末比 −2,744 円
7 月 31 日(金)64,362.02 円+2,494.59 円(+4.03%)日銀は据え置き。一時 6 万 5,000 円台を回復
週間−249.13 円(−0.39%)ほぼ横ばい
終値ベース。7 月 31 日は前引け時点で +2,704 円だったが、後場は伸び悩んだ。
FOMC も日銀も「据え置き」なんですね。何も決まらなかったってことですか?
Claude
「動かさない」というのも決定です。しかも今回、FOMC については事前に 4 割ほどが利上げを予想していました。それが据え置きだったので、警戒していたことが起きなかったという安心につながった。
何も起きなかったから上がった、ということですか。
Claude
そういう上がり方は珍しくありません。相場は「悪いことが起きなかった」でも上がります。ちなみに為替は 1 ドル 163 円台にドル安・円高方向へ振れました。

上がった材料は日本の外にあった

日本が上がった理由は何だったんですか?
Claude
ほぼ全部アメリカです。正確には、米テック企業の決算が good だったこと。
米国の指数(7 月 30 日終値)終値前日比
ダウ工業株30種平均52,208.06 ドル+613.92 ドル(+1.19%)
S&P500 種株価指数7,437.63+121.48(+1.66%)
ナスダック総合指数25,122.17+679.24(+2.78%)
半導体・AI 関連セクター+8.19%
ダウは連日の最高値。原油安とハイテク株の回復が支えとなった。

この流れをそのまま受け継いだのが、翌 31 日の東京市場である。日本の株価は、前の晩のアメリカでかなりの部分が決まる。

えっ、じゃあ日本の会社の good・bad はあまり関係ないんですか?
Claude
関係あります。ただし「今日上がるか下がるか」への影響は思ったより小さい。短期の値動きは外部要因、長期の株価は業績。ここは分けて考えてください。
朝起きたら決まってる、みたいな。
Claude
かなりの部分は。だから米国市場を見ない日本株投資家は、試合の前半を見ずに後半だけ観ているようなものです。

Mag7 も一枚岩ではない

米国の巨大テック 7 社(通称 Mag7)の直近 5 営業日の騰落率を、自作スクリーナーで並べるとこうなる。

銘柄5 日騰落率RSI(14)52 週位置
マイクロソフト+21.0%7455.1%
アマゾン+16.5%6790.1%
アルファベット(Google)+10.6%5375.1%
テスラ−0.9%316.3%
エヌビディア−3.6%4748.7%
メタ−7.7%3610.6%
アップル−9.5%4069.9%
2026 年 8 月 1 日時点、自作スクリーナー KAIRI による集計。52 週位置は 0% が年間最安値、100% が最高値。
同じ「アメリカのハイテク」なのに、マイクロソフトが +21% でアップルが −9.5%……。
Claude
そこに気づけたなら、今日の目的は半分達成です。
Claude
「米国株は好調」「ハイテクが強い」といった言い方は、ざっくりしすぎていて役に立たない。実際には 30 ポイント以上の差がついています。
テスラの 52 週位置 6.3% って、ほとんど年初来安値ってことですよね。
Claude
そうです。「Mag7 は絶好調」という見出しの中に、年間安値圏の銘柄が混ざっている。まとめて語られたものは、必ず中身を開けて確認してください。

日本の中身はもっと割れている

Fig. 業種ごとの温度差Fig. 業種ごとの温度差|小売・エンタメ +5.4% から半導体 −15.8% まで、5 日騰落率の中央値には 21.2 ポイントの開きがある。
小売・エンタメ +5.4% から半導体 −15.8% まで、5 日騰落率の中央値には 21.2 ポイントの開きがある。

自作スクリーナーで 279 銘柄を業種別に集計した、直近 5 営業日の騰落率(中央値)である。

業種5 日騰落率(中央値)銘柄数
小売・エンタメ+5.4%24
運輸+2.9%18
情報通信+2.8%20
自動車+2.1%13
電機・精密+0.2%29
素材・化学−2.5%25
金融−3.3%25
半導体(日本)−15.8%10
2026 年 8 月 1 日時点、自作スクリーナー KAIRI による集計。

上と下の差は 21.2 ポイント。同じ週、同じ国、同じ「日経平均」の中の話である。

半導体だけ −15.8%……。でも金曜は半導体が上がったってニュースで。
Claude
上がりました。ただし、その前に落ちすぎていた。金曜に +4% 戻しても、週で見ればまだ大きくマイナスです。穴が深ければ、1 日で埋まりません。
キオクシアはストップ高だったんですよね。
Claude
なりました。ただしあれは決算が理由ではありません。決算は 15 時 30 分、取引が終わってから出ています。上がった理由は前日の米半導体株高です。
ニュースだと「決算期待で買われた」みたいに見えました。
Claude
順番を確認する癖をつけてください。「何時に何が出たか」を並べれば、たいていの因果関係は自分で判定できます。

で、わたしの積立はどうなったのか

結局、僕のつみたてNISAは今週どうだったんですか。
Claude
ほぼ何も起きていません。日経平均が −0.39% ですから、全世界株や S&P500 の投資信託を積み立てている人の資産は、誤差の範囲でしか動いていない。
あんなにニュースが騒いでいたのに?
Claude
ニュースは「1 日の値動き」を報じ、あなたの資産は「積み上げた期間」で決まる。時間軸が違うんです。噛み合わなくて当然です。
じゃあ今週のニュース、見なくてもよかったのでは……。
Claude
身も蓋もないことを言いますが、そのとおりです。つみたてだけをしている人にとって、今週の情報で行動を変えるべきものは 1 つもありませんでした。
Claude
ただし、今週のニュースの「読み方」を覚えたことには意味があります。指数が上がっても中身は割れている。まとめて語られた話は開けて確かめる。これはこの先ずっと使えます。

来週見るべきこと

  1. 7 月の米雇用統計来週(8 月 3 日〜7 日)に発表される。金融政策の見通しに直結するため、相場が動きやすい。
  2. 半導体株が戻り続けるか、金曜だけで終わるか5 日で −15.8% の穴が埋まっていくのか、1 日の反発で終わるのかは、来週の値動きで分かる。
  3. キオクシアの決算に対する市場の答え決算は取引終了後に出たため、市場が反応するのは 8 月 3 日(月)。同じ日から自己株式の取得も始まる。
  4. 円相場の方向FOMC 据え置きで 1 ドル 163 円台へ円高方向に振れた。輸出企業の採算に影響する。

今週のまとめ

  • 日経平均は 7/31 に +2,494 円(+4.03%)の 64,362 円。ただし週間では −249 円(−0.39%)
  • 週の中で 2,744 円下げ、最終日に 2,495 円戻しただけ
  • FOMC・日銀ともに据え置き。「悪いことが起きなかった」ことが買い材料になった
  • 上昇の材料は米テック決算。7/30 のナスダックは +2.78%、半導体・AI は +8.19%
  • Mag7 でもマイクロソフト +21.0% とアップル −9.5% で 30 ポイント差
  • 業種別では小売・エンタメ +5.4% と半導体 −15.8% で 21.2 ポイント差
  • キオクシアのストップ高は決算が理由ではない。決算は取引終了後に出た
  • つみたて中心の人にとって、今週やるべきことは何もなかった

指数は「平均」であって「全部」ではない。この 1 行を覚えて帰ってもらえれば、今週のニュースを見た価値はある。

関連記事

よくある質問

2026年7月31日の日経平均の終値はいくらですか?
前日比2,494.59円高(+4.03%)の64,362.02円です。取引時間中には一時3,400円超高となり6万5,000円台を回復する場面もありました。ただし週間では前週末比−249.13円(−0.39%)とほぼ横ばいでした。
日経平均が7月31日に大きく上がった理由は何ですか?
主因は前日の米国市場の上昇です。7月30日のナスダック総合指数はマイクロソフトの好決算などを受けて+2.78%、半導体・AI関連セクターは+8.19%上昇しました。加えてFOMCと日銀がともに政策金利を据え置き、事前にあった利上げ警戒が後退したことも支えとなりました。
日経平均が上がれば自分の資産も増えますか?
必ずしも一致しません。同じ週でも業種によって騰落率は大きく異なり、直近5営業日では小売・エンタメが+5.4%、日本の半導体が−15.8%と21.2ポイントの差がありました。何を保有しているかによって結果は変わります。
米国のMag7は今週どうでしたか?
銘柄によって大きく分かれました。直近5営業日でマイクロソフトが+21.0%、アマゾンが+16.5%、アルファベットが+10.6%と上昇した一方、アップルは−9.5%、メタは−7.7%と下落しています。
つみたて投資をしている人は今週何かすべきでしたか?
特にありません。日経平均の週間騰落が−0.39%であり、全世界株やS&P500に連動する投資信託を積み立てている場合、資産額の変化はごくわずかです。1日単位のニュースと、積立の時間軸は別物です。

出典

  • 日本経済新聞「日経平均2494円高 米テック好決算、AI・半導体株で見直し買い」(2026年7月31日)
  • 日本経済新聞「日経平均一時3400円超高、6万5000円台回復 AI半導体株に買い」(同日)
  • 株探ニュース「日経平均 大引け|大幅続伸、AI・半導体関連中心に買い優勢」(2026年7月31日)
  • 財経新聞「NY株式:NYダウは613.92ドル高、原油安やハイテク回復が支援」(2026年7月31日)
  • 日本経済新聞「NY円相場、反発 1ドル=163円35〜45銭 FRBの金利据え置き受けドル売り」
  • 7月24日終値は当サイト「日経平均 週間まとめ(〜2026年7月24日)」の記録による
  • 業種別騰落率およびMag7の数値は自作スクリーナー KAIRI による集計(2026年8月1日時点、279銘柄)

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次