受験上の配慮、知らないと損する話 — ADHD当事者が語る申請の裏ワザ

受験の合理的配慮まとめ

読了時間の目安約 11 分5,294 字

受験上の配慮 / ADHD当事者の記録

受験上の配慮って、申請のやり方ひとつで結果がめちゃくちゃ変わるんですよ。

公式サイトに書いてあることじゃなくて、実際に申請して受けてきた現場のリアルのほうを書きます。

結論

時間延長はまず通りません。僕は早慶から日東駒専まで、共通テストも含めて全部却下されました。それでも申請書には書いたほうがいい。理由は後で書きます。

本当に取りに行くべきなのは別室受験と回答形式の変更です。とくに回答形式は、試験のタイプで選び分けないと損します。僕は知らなくて1校で損しました。

書類は診断書と意見書が必須、障害者手帳はいらない。共通テストの締切は2026年10月2日(金)必着、郵送なら9月30日(水)消印有効です。

目次

受験上の配慮って何?

大学受験のときに、障害とかがある人向けに、別室で受けられたり、回答形式を変えてもらえたり、時間延長されたりする制度です。

制度の細かい話は大学入試センター(DNC)の公式ページを見てください。この記事で書くのは、公式サイトには書いてない現場のほうです。

先に言っておくと、僕はADHDメインでの話をしています。ASDが主軸の人とか、別の特性がメインの人は、配慮内容がちょっと変わってくる可能性があります。必ず各大学の配慮課みたいな部署に直接聞いてください。ここ大事です。

まず締切だけ確認して

内容より先に日付です。ここを逃すとその年は終わりなので。

受付期間締切
第1期2026年7月1日(水)〜8月28日(金)8月28日必着 / 8月26日(水)消印有効(終了)
第2期2026年8月31日(月)〜10月2日(金)10月2日必着 / 9月30日(水)消印有効
出願期間2026年9月15日(火)〜10月2日(金)
令和9年度(2027年1月実施)大学入学共通テスト。大学入試センターの公表値。申請は郵送のみで、申請書類は共通テスト出願サイトのマイページから取る。

第1期に出した人には、9月24日(木)までに「受験上の配慮事項審査結果通知書」が届くとセンターのQ&Aに書いてあります。

必要な書類の話 — 手帳はいらない

診断書は必須。意見書も必要。で、意外なんですけど、障害者手帳はいらないんですよ

僕、手帳は大学卒業あたりで取ったんで、双極性障害もあるんですけど、これは受験のときには使ってないし、たぶん使えないですね。

意見書っていうのは、周りの人——たとえば学校の先生とか、第三者から見た当事者の様子を書いてもらう書類です。これも必要なんで、忘れずに。

書類中身誰が書くか
【A】受験上の配慮申請書欲しい配慮を自分で書く本人
【B】診断書センター指定の様式に書いてもらう医師
【C】状況報告書普段の様子を第三者が書く。大学の個別試験だと「意見書」と呼ばれることが多い学校の先生など
障害者手帳いらない
共通テストの書類名は大学入試センターの公表資料による。大学の個別試験は大学ごとに違うので要項を見ること。

僕のスペック

軽く自分の話をしておくと、僕はADHD診断です。

IQはまあ平均ぐらいですね。ただ内訳がえぐくて、言語性と知覚推理は高いんだけど、ワーキングメモリがゴミっていう典型的な凸凹タイプ。差で言うと50近くあります。これ後で効いてくるんで覚えといてください。

あと余談なんですけど、僕、受験のときコンサータ処方されてなかったんですよ。変な病院に当たってしまって。コンサータっていうのはADHDの治療薬ですね。

だから「薬で集中力ブーストして受験突破した!」みたいな話はできないですね。むしろ薬なしでこの話してます。ただTOEIC受け始めた頃に飲み始めて、効果は普通にありました。飲める環境にあるなら飲んだほうがいいですよ、というのは余談として置いときます。

【本題①】時間延長の裏ワザ

ここからが本題です。結論から言うと、時間延長はまず通りません

僕の場合、早慶から日東駒専まで受けたり申請出したりしたんですけど、全大学で時間延長は却下でした。もちろん共通テストも。

これ、たぶん試験の公平性の観点で、重度の知的障害レベルじゃないと厳しいっぽいんですよ。境界知能に準ずる人とか、IQ的に問題ないタイプは、まあ出ないですね。僕、IQの凸凹で50近く差がある(ワーキングメモリは境界知能にぎりぎり入るレベル)んですけど、それでも厳しく評価されて却下されてます。

申請した配慮共通テスト私大(複数)
試験時間の延長却下全部却下
別室受験通った通った
チェック解答通ったマーク式の大学で通った
解答欄の拡大通った大学あり
僕が出した申請の結果。

「じゃあ書く意味ないじゃん」——違います

ここからが本当の本題なんですけど、時間延長は書いたほうがいいです

なんでかっていうと、別室受験や回答方式の変更を取りに行くためなんですよ。

考えてみてください。配慮申請って、要は「どれだけ困ってるか」を伝えるゲームなんですよ。最初から「別室だけでいいです」って小さく出ると、それすら却下されることがある。

でも時間延長っていう大きい看板を最初に掲げて、それを審査側に“却下する余地”として残しておく。そうすると相対的に、「じゃあ別室と回答形式は認めましょう」ってなりやすいんですよね。

大きい要求を先に出して断らせる。そのあとの小さい要求が通りやすくなる。

これ、心理学で言うところの「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」ってやつに近いんですよ。簡単に解説すると、最初に大きい要求をぶつけて、相手に断らせる。そうすると、その次に出す小さい要求が通りやすくなる、っていう心理効果ですね。営業とか交渉の世界だと割と有名な手法です。

ちなみに大学入試センターの資料にも「障害等の種類や程度にかかわらず、必要な配慮事項を申請することができる」と書いてあります。さらに「不許可とする配慮事項について、代替措置となる配慮事項がある場合は志願者に提案」とも。却下されて終わりじゃなくて、代案が返ってくる作りになってます。
令和5年度の共通テストで受験上の配慮が決定した人数を区分別に並べた横棒グラフ。その他1,649人、病弱933人、聴覚障害549人、発達障害450人、肢体不自由366人、視覚障害102人
合計4,049人。前年度は3,685人。同じ年の志願者は512,581人なので、だいたい127人に1人が何らかの配慮を受けている計算。

【本題②】回答形式の選び方

で、ここからがマジで一番価値ある話。回答形式の選び方ですね。

配慮申請で選べる回答形式、主に3つあります。マークシートに✓を入れる方式、書き込み型、それから解答欄の拡大。順番に説明していきます。

① マークシート✓方式(チェック解答)

これ、共通テストとか、オールマーク試験の大学では最強です。

普通のマークシートって、塗りつぶすじゃないですか。あれ、ADHD特性的にマジでだるい。塗りミスとかズレとか起きるんですよね。

それを✓だけでいい、しかも問題用紙上で完結する形にできるんで、時短にもなるし、ミスも減ります

② 書き込み型

次、書き込み型。これね、選ぶ大学を間違えると損します

書き込み型ってどんなのかっていうと、駿台とか河合塾の模試をイメージしてください。「ア」とか「①」とかの答えを、解答欄に自分で書き込む形式ですね。

これね、マーク+記述の私大では神なんですよ。マークシート塗らなくていいし、記述もそのまま書ける。

でも問題自体に答えを書き込むタイプの大学だと、大問とか問題番号も全部自分で書かなきゃいけなくて、めちゃくちゃダルいんですよね。僕、これ知らなくて1校で損しました。だからみんなは気をつけて。

試験のタイプ選ぶべき方式なぜ
オールマーク試験(共通テストなど)✓方式(チェック解答)塗りつぶしが丸ごと消える。時短+ミス減
マーク+記述の私大書き込み型マークを塗らなくていいし、記述も同じ用紙で書ける
問題に直接書き込むタイプ書き込み型は要注意大問・問題番号まで自分で書くことになってダルい
僕が受けた範囲での選び分け。

③ 解答欄の拡大

最後、解答欄拡大。これね、ADHDで細かい作業苦手な人、絶対申請したほうがいい

「特性上、細かい字を書くのが苦手なので、記述式解答欄を大きくしてほしい」——これで通る大学ありました。

字数指定の英作文とかで、解答欄狭くて困った経験ある人いると思うんですけど、あれ拡大されると本当に助かるんで。字数は塾の先生と相談して決めてください。

【本題③】別室受験の地味なメリット

別室受験って配慮の主目的みたいなとこあるんですけど、地味なメリットがけっこうあります

メリット中身
規制退場の対象にならない別室って基本、別の出口から入って出る形なんで、試験後の「○○番から退場〜」みたいなあれに巻き込まれない。終わった瞬間に帰れるのはデカい
別館とか別フロアが用意されてる特に都内のそこそこの偏差値の大学だと、大きい会場使ってる関係で、配慮者用に別館・別フロアが普通に用意されてる。地方はわかんないです
監督者の配置別室、監督者は前に2人、後ろに1人。ちょっと多く感じるかもですけど、まあ集中して受ければ気にならないです

実務Tips — 書類はコピーを取っておけ

最後に、地味だけどマジで大事なTipsを1個。診断書と意見書、コピー取っといてください。

なんでかっていうと、全大学で配慮ある保証はないんですよ。受ける大学ごとに申請が必要だし、書類も基本それぞれに出す。ただコピーで使い回しはOKなんです。

僕、これ知らずに毎回原本もらいに行ったりして、マジで大変でした。受験期に病院何回も行くの、しんどいなんてもんじゃないんで。

申請してる大学の数だけ書類が必要になるんで、早めに動いてくださいね。

まとめ

ポイント中身
書類診断書と意見書は必須、手帳は不要
時間延長通らない。けど”あえて書く”。それで別室と回答形式の配慮を取りに行く
オールマーク試験✓方式(チェック解答)
マーク+記述書き込み型
解答欄拡大ADHD特性で通せる
書類の運用コピーで使い回し
締切2026年10月2日必着 / 9月30日消印有効

受験上の配慮って、知ってるか知らないかだけで結果が変わるやつなんですよ。

特に「時間延長を看板にして、別室と回答形式を取りに行く」——この戦略はたぶんどこにも書いてないと思うんで、必要な人に届いてほしいなと思います。

繰り返しになるけど、ASDメインの人とか、特性が違う人は必ず大学の配慮課に直接聞いてくださいね。僕の話はあくまでADHD当事者としての経験です。
受験上の配慮の申請に障害者手帳は必要ですか

いりません。必要なのは診断書と意見書(共通テストでは【C】状況報告書)です。共通テストの診断書は大学入試センター指定の様式を医師に書いてもらいます。僕も受験のときは手帳を持っていませんでした。

令和9年度共通テストの配慮申請はいつまでですか

第2期が2026年10月2日(金)必着、郵送は9月30日(水)消印有効です。第1期(7月1日〜8月28日)はもう終わっています。申請は郵送のみで、書類は共通テスト出願サイトのマイページから取ります。

発達障害で試験時間の延長は通りますか

僕はまず通らないと思っています。早慶から日東駒専まで、共通テストも含めて全部却下されました。IQの凸凹が50近くあっても厳しく評価されています。ただし制度としては1.3倍・1.5倍の延長が用意されていて、令和5年度は発達障害の区分で450人の配慮が決定しています。審査は個別なので、最終的には自分の書類次第です。

通らないなら時間延長は書かないほうがいいですか

書いたほうがいいです。時間延長という大きい看板を先に掲げて、それを却下する余地として残しておくと、相対的に別室と回答形式が通りやすくなります。心理学でいうドア・イン・ザ・フェイスに近い考え方です。センター側も「不許可とする配慮事項について、代替措置となる配慮事項がある場合は志願者に提案」と明記しています。

チェック解答と書き込み型はどっちを選べばいいですか

試験のタイプで決めてください。オールマーク試験(共通テストなど)なら✓方式、マーク+記述の私大なら書き込み型です。ただし問題に直接書き込むタイプの大学だと、大問や問題番号まで自分で書くことになってダルいので注意してください。僕はこれを知らずに1校で損しました。

診断書は大学ごとに原本が必要ですか

コピーで使い回しOKです。僕はこれを知らずに毎回原本をもらいに行って大変でした。申請する大学の数だけ必要になるので、受け取った時点でまとめてコピーしておいてください。

別室受験にメリットはありますか

規制退場に巻き込まれないのが地味に大きいです。別室は基本、別の出口から入って出る形なので、試験後の「○○番から退場」を待たずに帰れます。都内の大きい大学だと配慮者用の別館や別フロアが用意されていることも多いです。監督者は前に2人、後ろに1人でした。

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この記事を書いた人

自作の株価スクリーナー「KAIRI」の検証と、WordPress サイトの制作をしています。数字は IR・官公庁・取引所の一次情報で裏を取り、自分のツールが出した答えも疑ってから記事にしています。間違いに気づいたときは、記事の中で訂正します。

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