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私が申請した時間延長は、共通テストも私大も全部落ちました。それでも、申請書には書いたほうがいいと思っています。
ADHD当事者として出した申請の結果と、実際に通った配慮の選び方を書きます。締切の日付は大学入試センターの公表値です。
令和9年度(2027年1月実施)共通テストの配慮申請は、第2期が2026年10月2日(金)必着、郵送なら9月30日(水)消印有効です。申請は郵送のみで、書類は出願サイトのマイページから取得します。
必要なのは【A】受験上の配慮申請書・【B】診断書・【C】状況報告書の3つ。障害者手帳は必須ではありません。診断書はセンター指定の様式を医師に書いてもらいます。
私の結果は時間延長が全滅、通ったのは別室受験・チェック解答・解答欄の拡大でした。ただしこれは私の症状に対する判断で、発達障害の区分では令和5年度に450人の配慮が決定しています。出るかどうかは個別審査です。
まず締切 — 2026年9月30日消印、10月2日必着
制度の説明より先に日付を出します。ここを過ぎると、その年の共通テストでは配慮を受けられません。
| 受付期間 | 締切 | |
|---|---|---|
| 第1期 | 2026年7月1日(水)〜8月28日(金) | 8月28日必着 / 8月26日(水)消印有効(終了) |
| 第2期 | 2026年8月31日(月)〜10月2日(金) | 10月2日必着 / 9月30日(水)消印有効 |
| 出願期間 | 2026年9月15日(火)〜10月2日(金) | — |
第1期に出した人には9月24日までに審査結果の通知が届くので、出願前に結果を見て志望校を考えられました。第2期に出す場合は、結果を見る前に出願することになります。
制度の骨格 — 誰が、何を審査するのか
共通テストの受験上の配慮は、「個々の症状や状態等に応じて」決まります。大学入試センターの資料には、こう明記されています。
障害等の種類や程度にかかわらず、必要な配慮事項を申請することができる。
審査するのは特別支援教育の専門家と医師等で組織する委員会で、すべて個別に見ます。書類だけで判断がつかないときは追加資料を求められますし、事務職員から電話で確認が入ることもあります(この確認は年に約700件あるそうです)。

発達障害の区分で450人。志願者全体から見れば少数ですが、ゼロではありません。「自分の程度では無理だろう」と申請しないでいる人が、この数字の外側にどれだけいるかは分かりません。
私の結果 — 時間延長は全部落ちた
ここからは私個人の話です。早慶から日東駒専まで、出願した大学すべてと共通テストで時間延長を申請し、全部却下されました。
私はADHDの診断を受けています。IQは全体で見れば平均程度ですが、内訳に大きな差があります。言語理解と知覚推理は高く、ワーキングメモリだけが低い。その差はおよそ50あります。数字の上では明確な凸凹ですが、それでも時間延長の判断は厳しかったというのが私の結果でした。
| 申請した配慮 | 共通テスト | 私大(複数) |
|---|---|---|
| 試験時間の延長 | 却下 | すべて却下 |
| 別室受験 | 許可 | 許可 |
| チェック解答(マークを塗らずレ点で答える) | 許可 | —(マーク式の大学のみ) |
| 解答欄の拡大 | — | 許可された大学あり |
それでも時間延長を申請書に書く理由
落ちると分かっているものを、なぜ書くのか。私は書かないと検討すらされないからだと考えています。
配慮申請は交渉ではありません。ただし申請書に書かれていない配慮が、審査側から勝手に付与されることはありません。「別室だけでいいです」と小さく出せば、審査されるのは別室だけです。
そして重要なのが、センター自身が次のように書いていることです。
不許可とする配慮事項について、代替措置となる配慮事項がある場合は志願者に提案。
つまり却下されて終わりではなく、代わりの案が返ってくる仕組みになっています。大きく出して全部落ちるリスクより、小さく出して必要なものを取りこぼすリスクのほうが大きい、というのが私の実感です。
回答方式の選び方 — ここが一番差がつく
私が受験を終えていちばん価値があったと思っているのがこれです。同じ「回答方式の変更」でも、受ける試験の形式に合っていないと逆に不利になります。
① チェック解答 — オールマークの試験で強い
マークシートを塗りつぶす代わりに、レ点で答える方式です。共通テストのように全問マーク式の試験では、これがいちばん効きます。
塗りつぶす作業は、ADHDの特性だと想像以上に負荷がかかります。塗りムラ、ずれ、塗り直し。解答の中身と関係ないところで時間とミスが発生する。そこが消えるだけで体感がかなり変わりました。
② 書き込み型 — 大学によっては損をする
解答用紙に「ア」「①」などを自分で書き込む方式です。駿台や河合塾の模試の解答欄を思い浮かべてください。
マーク+記述が混在する私大では、これが有利でした。マークを塗らずに済み、記述もそのまま書けます。
ただし問題冊子に直接書き込ませるタイプの大学だと、大問番号も問題番号も全部自分で書くことになります。これがかなり煩雑で、私はこれを知らずに1校で損をしました。
| 試験の形式 | 選ぶとよい方式 | 理由 |
|---|---|---|
| 全問マーク式(共通テストなど) | チェック解答 | 塗りつぶす作業が丸ごと消える |
| マーク+記述(私大に多い) | 書き込み型 | マークを塗らずに済み、記述も同じ用紙で書ける |
| 問題冊子に直接書き込む形式 | 書き込み型は慎重に | 大問・問題番号まで自分で書くことになり、かえって手間が増える |
③ 解答欄の拡大 — 記述がある人は検討する価値がある
「特性上、細かい字を書くのが苦手なので記述式の解答欄を大きくしてほしい」。この理由で認められた大学がありました。
字数指定のある英作文などで、解答欄が狭くて書ききれない経験がある人は検討する価値があります。ただし拡大すると1行あたりの字数が変わるので、字数の感覚は塾や学校の先生と相談して調整しておいてください。
別室受験の、地味だけれど効くところ
別室は配慮の中心ですが、静かに受けられる以外にも実務的な利点がありました。
| 利点 | 中身 |
|---|---|
| 規制退場に巻き込まれない | 別室は出入口が分かれていることが多く、試験後の「○番から退場」という待ち時間が発生しない。終わったらすぐ帰れる |
| 別館・別フロアが用意される | 大きい会場を使う都市部の大学では、配慮者用に別の建物や階が確保されていた |
| 監督者の人数 | 前に2人、後ろに1人という配置だった。最初は多く感じたが、始まってしまえば気にならない |
書類の実務 — コピーを取っておく
地味ですが、これを知らずにいちばん消耗しました。
配慮申請は、受ける大学ごとに必要です。共通テストへの申請とは別に、各大学の個別試験にも出します。私は最初それを知らず、そのたびに病院へ診断書をもらいに行っていました。受験期に何度も通院するのは、時間の面でも体力の面でもかなりこたえます。
多くの大学では写しの提出が認められます。診断書と、学校の先生などに書いてもらう書類は、受け取った時点で申請する大学の数だけコピーしておくのが確実です。
共通テストと、大学の個別試験は別の手続き
混同しやすいので分けて書きます。
| 共通テスト | 大学の個別試験 | |
|---|---|---|
| 申請先 | 大学入試センター | 各大学 |
| 締切 | 第2期は2026年10月2日必着 | 大学ごとに違う。出願より前に事前相談を求める大学が多い |
| 主な書類 | 【A】申請書【B】診断書(指定様式)【C】状況報告書 | 診断書のほか、第三者が様子を書く意見書を求める大学がある |
| 障害者手帳 | 必須ではない | 大学による。不要なことが多い |
| 相談窓口 | 志願者専用電話で年間を通して受付 | 障害学生支援室・アドミッション部門など |
個別試験のほうは出願期間より前に相談を締め切る大学が珍しくありません。「出願のときに一緒に出せばいい」と思っていると間に合わないので、志望校が決まった時点で支援窓口に連絡しておいてください。
私が当時知らなくて、いま伝えたいこと
受験上の配慮は、知っているかどうかで結果が変わる制度です。そして情報が散らばっていて、当事者の体験として書かれたものが少ない。
私は診断を受けていましたが、障害者手帳は大学を出るころに取りました。受験のときは持っていませんし、使っていません。手帳が無いから申請できない、ということはありません。
薬についても触れておくと、私は受験当時ADHDの治療薬を処方されていませんでした。だから「薬で乗り切った」という話はできません。治療をどうするかは主治医と相談して決めることで、この記事が勧められる話ではありません。
配慮の内容そのものより、締切に間に合わせることと、自分の試験形式に合った方式を選ぶこと。この2つが効きます。
- 受験上の配慮の申請に障害者手帳は必要ですか
必須ではありません。共通テストで必要なのは【A】受験上の配慮申請書、【B】診断書、【C】状況報告書です。診断書は大学入試センター指定の様式を医師に記入してもらいます。私自身、受験時は手帳を持っていませんでした。
- 令和9年度共通テストの配慮申請はいつまでですか
第2期が2026年10月2日(金)必着、郵送は9月30日(水)消印有効です。第1期(7月1日〜8月28日)はすでに終わっています。申請は郵送のみで、書類は共通テスト出願サイトのマイページから取得します。
- 発達障害でも試験時間の延長は認められますか
制度としては認められる場合があります。大学入試センターは発達障害の配慮例として試験時間の1.3倍・1.5倍延長を挙げています。ただし私の場合は共通テストも私大もすべて却下されました。可否は症状や状態を個別に審査して決まるため、他人の結果はそのまま当てはまりません。
- 時間延長が通らないなら書かないほうがいいですか
書いたほうがよいと考えています。申請書に書いていない配慮は審査の対象になりません。また大学入試センターは「不許可とする配慮事項について、代替措置となる配慮事項がある場合は志願者に提案」と明記しており、却下されて終わりではなく代案が返ってくる仕組みです。ただし症状を誇張するという意味ではありません。実際に困っていることを漏らさず書く、ということです。
- チェック解答と書き込み型はどちらを選べばいいですか
試験の形式で決まります。共通テストのような全問マーク式ならチェック解答、マークと記述が混在する私大なら書き込み型が扱いやすいと感じました。ただし問題冊子に直接書き込ませる形式の大学では、大問番号まで自分で書くことになり、かえって手間が増えます。
- 診断書は大学ごとに原本が必要ですか
大学によります。写しで受け付ける大学が多く、その場合は受け取った時点で申請する数だけコピーしておくと通院の回数を減らせます。ただし原本を求める大学もあるので、出願要項を確認し、障害学生支援室などに問い合わせてください。
- 締切を過ぎてしまいました。もう無理でしょうか
当初から分かっている特性については、原則としてその年の申請はできません。ただし出願後の不慮の事故・負傷・発病・症状の悪化については、受験票の受領から試験直前まで受け付ける別枠があります(令和6年度試験では1月10日17時まで)。まずは志願者専用電話で相談してください。センターは年間を通して事前相談を受け付けています。

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