PER 4 倍。配当利回り 8%。これは掘り出し物か、それとも市場が知っている何かがあるのか。
割安に見える銘柄には、割安に見えるだけの事情が隠れていることがあります。私が「まず疑う」ことにしている 6 つの兆候をまとめます。
スクリーニングをかけると、ときどき異様に条件のいい銘柄が出てきます。PER が一桁前半、PBR が 0.3 倍、配当利回りが 8%。数字だけ見れば買わない理由がありません。
しかし市場には無数の参加者がいて、その銘柄をすでに見ています。それでも安いまま放置されているなら、安くしている理由が存在すると考えるほうが自然です。私はこれを「罠を疑う」と呼んで、機械的にチェックする項目を決めました。
疑うべき 6 つの兆候
資産売却益などの一過性利益で分母の利益が一時的に膨らんでいる可能性があります。来期には消える利益かもしれません。
市場が「その資産は帳簿どおりの価値を持たない」または「その資産で利益を生めない」と判断している状態を示唆します。
株価下落の結果として利回りが跳ね上がっている、つまり減配リスクが織り込まれている場合があります。
実績だけで評価することになり、精度が落ちます。分析対象として見られていない銘柄でもあります。
株式分割の未調整などデータ側の不良か、極端な業績変化の予想。どちらにせよ数字をそのまま信じられません。
取引停止や上場廃止(TOB など)の可能性があります。安いのではなく、買収価格に張り付いているだけかもしれません。
兆候の数で「信頼度」を落とす
私はこの兆候を自動で数えて、該当が 0 件なら信頼度「高」、1 件なら「中」、2 件以上なら「低」としています。そして信頼度が低い銘柄には、どれだけ乖離が大きくても上位評価を与えないようにしました。
ここが肝で、罠銘柄はたいてい乖離が特大です。だから乖離だけを見て順位を付けると、罠が上位を独占します。フラグの数で上限をかけて初めて、順位が意味を持ちます。
乖離の大きさは魅力の指標であると同時に、危険の指標でもある。
フラグが立った銘柄をどうするか
立ったら即座に除外、ではありません。私がやるのは「理由を調べに行く」ことです。PBR 0.4 倍の地方銀行が、単に業界全体の連想売りで下げているだけなのか、それとも個別の問題を抱えているのか。ここは人間の仕事です。
調べたうえで「これは市場の過剰反応だ」と判断できたなら、その理由をメモに残して買う。フラグは買わない理由ではなく、調べる理由だと考えています。
まとめ
- 極端に安い数字は、まず「なぜ安いのか」を問う材料として扱う
- PER 4 倍未満・PBR 0.4 倍未満・利回り 7% 超は代表的な警戒サイン
- 予想 EPS の欠落や跳ね上がりは、データそのものを疑う
- 兆候の数で評価に上限をかけないと、罠が上位を占める
- フラグは「買わない理由」ではなく「調べる理由」
本記事は個人の考えと記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
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