1,889円安より、0.019%の動きのほうが効く 9月2日に本当は何が変わったか

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投資の考え方 / 2026年9月5日

9月2日、日経平均は1,889円下げました。ニュースはその数字を伝えます。

同じ日、10年国債の利回りは30年ぶりに3%を超えていました。そちらを報じた記事は、ずっと少なかったと思います。

結論

株価の下げ幅は結果で、金利は原因の側にあります。それなのに、私たちが毎日目にするのは結果の数字だけです。

9月2日の1,889円安は「2.85%の下落」です。一方、同じ日に10年国債は2.987%から3.006%へ、0.019%ポイント動きました。見た目のインパクトは比べものになりませんが、効き方が長いのは後者です。

この記事は相場の予想をしません。大きい数字ほど重要とは限らないという、それだけの話です。

目次

その日、2つの数字が動いた

9月1日9月2日変化
日経平均(終値)66,215.3464,325.64−1,889.70
−2.85%
10年国債(利回り)2.987%3.006%+0.019%ポイント
30年ぶりの3%台
30年国債(利回り)4.131%4.122%−0.009%ポイント
日経平均は日経平均プロフィル、利回りは財務省 国債金利情報。
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片方は4桁で、片方は小数第3位です。人間の目は当然、4桁のほうに引き寄せられます。しかし1日で1,889円下げた株価は、その2日後には806円戻しました。一方で10年国債の利回りは、7月1日の2.711%から2か月かけて一度も方向を変えずに上がってきています。

どちらが「ニュース」か

報道の量でいえば、圧倒的に株価です。理由は単純で、株価は毎日変わるからです。毎日変わるものは毎日記事になり、30年に1度しか起きないことは、起きた日にだけ小さく載ります。

毎日報じられるものが、毎日重要とは限らない。報道の頻度は、出来事の重要さではなく、更新の頻度で決まっている。

10年国債が3%を超えたのは1996年9月6日以来です。財務省が公開している1986年からの日次データを全部見ても、3%以上だった日は2,513日あり、その最後がその日でした。つまりいま30歳の人が生まれる前から、日本の長期金利は3%を下回り続けていたことになります。

下げ幅の話がなぜ役に立たないか

「1,889円安」という数字から、次の行動を決められるでしょうか。私はできないと思っています。理由を3つ挙げます。

なぜ行動に結びつかないか
単位が場当たり的日経平均が6万円台の1,889円は2.85%。3万円台なら6.3%に相当する。同じ「1,889円」でも意味が倍以上違う
翌日には別の数字になる9月2日に1,889円下げ、9月4日に806円戻した。下げた日の数字だけを覚えていると、相場は実際より悪く見える
原因が入っていない下げ幅は結果。なぜ下げたかは、金利・為替・海外市場のほうに書いてある
9月2日は東証プライムの多くの銘柄が下げた「全面安」でした。こういう日は、個別銘柄の材料を探しても意味がありません。全部下げているときは、全部に効く何かが動いています。そのときに見るのは、金利・為替・海外指数の3つです。

では、何を見るか

株価より更新が遅く、方向が続きやすいものを見ます。毎日チェックする必要はありません。週に1回で十分です。

見るものどこで何がわかるか
10年国債の利回り財務省 国債金利情報(日次・無料)成長株の逆風の強さ。住宅ローン固定金利の先行き
政策金利日本銀行の公表資料変動金利と預金金利。長期金利とは別の動き
ドル円各社のレート輸出企業の利益と、輸入物価
米国の主要指数前日の終値翌朝の日本株の出発点。特に半導体

この4つを週1回メモしておくだけで、「なぜ下げたか分からないまま不安になる」状態はかなり減ります。数字を持っていないから不安になるのであって、下げたから不安になるわけではありません。

自分の場合

私はこの4つを、株の売買記録と同じノートに書いています。効果があったのは、下げた日に「何もしなかった理由」をあとから読み返せることでした。判断の良し悪しより、そのとき何を見ていたかが残るほうが役に立ちます。

金利が上がると、必ず株は下がりますか

いいえ。金利が上がる理由が「景気がいいから」なら、企業の利益も増えるので株は上がることがあります。下がりやすいのは、金利上昇の理由がインフレや財政不安のときです。9月2日は後者に近い形でした。

毎日ニュースを見るのをやめても大丈夫ですか

積立をしているだけなら、見なくても困りません。個別株を持っているなら、持っている会社の決算と適時開示だけは見てください。指数の日々の上下は、行動を変える材料になりにくいです。

30年ぶりというのは、どこで確認できますか

財務省の「国債金利情報」で、1986年7月からの日次データがCSV で公開されています。この記事の数字も、そのファイルを実際にダウンロードして10年債の列を全期間さかのぼって確認したものです。

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この記事を書いた人

自作の株価スクリーナー「KAIRI」の検証と、WordPress サイトの制作をしています。数字は IR・官公庁・取引所の一次情報で裏を取り、自分のツールが出した答えも疑ってから記事にしています。間違いに気づいたときは、記事の中で訂正します。

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