勝ったか負けたかは、判断が良かったかどうかとは別の話だ。
かつてギャンブルに明け暮れていた時期があります。それをゲーム理論から学び直したとき、勝敗と判断の質は別物だという当たり前のことに気づきました。株の売買にも、そのまま持ち込める考え方です。
私は 10 代の頃、ギャンブルばかりしていました。理論も何もなく、その場の感覚で賭けていた時期です。20 代になってポーカーをゲーム理論から学び直したとき、根本的な思い違いに気づきました。
それは、「勝ったから正しい判断」「負けたから間違った判断」ではないということです。
結果と判断を切り離す
ポーカーでは、確率的に有利な手を選んでも普通に負けます。逆に、明らかに不利な賭けでも運が向けば勝ちます。1 回の結果から判断の質は測れません。測れるのは、同じ判断を何度も繰り返したときの平均——つまり期待値です。
株も同じ構造をしています。ある銘柄を買って上がった。でもそれは、判断が良かったのか、相場全体が上げただけなのか、単に運が良かったのか。1 回の値上がりは、手法の正しさを何も証明しません。
評価すべきは結果ではなく、同じ状況で同じ判断を 100 回繰り返したときに残るものだ。
だから「入り方」を記録する
この考え方を持ち込むと、記録の取り方が変わります。いくら儲かったかではなく、どういう状態のときに入ったかを残すようになります。
買った時点の RSI はいくつだったか。移動平均からどれだけ離れていたか。直前の 5 日でどれだけ動いていたか。こうした「入り方」を残しておくと、勝ちトレードと負けトレードを後から比較できます。
比較して初めて、「自分は上がりきったところで飛び乗る癖がある」といった傾向が見えます。これは 1 回ごとの損益をいくら眺めても出てきません。
負けを受け入れる設計にする
期待値で考えると、負けトレードは失敗ではなくコストとして計画に織り込むものになります。勝率 5 割でも、勝ちの平均が負けの平均の 2 倍あれば、繰り返せば残ります。
逆に言えば、1 回の負けで大きく削られる設計にしていると、期待値がプラスでも生き残れません。だから私は買う前に損切り価格を決め、そこから逆算して株数を決めています。負けを想定内に収めるための作業です。
まとめ
- 1 回の勝ち負けは、判断の質を証明しない
- 評価対象は「繰り返したときに残るもの」=期待値
- だから損益ではなく「入り方」を記録する
- 負けはコストとして計画に織り込み、1 回の損失を想定内に収める
本記事は個人の考えと記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
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