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投資の基本 03 / 出口戦略
買い方の情報は無数にある。売り方の情報が少ないのは、売らせたい側がいないからである。
資産形成には終わりがある。取り崩し方によって、同じ資産でも持続年数は変わる。
積立投資の解説は「いくら積み立てるか」で終わることが多い。しかし実際には、貯めた資産をどう使うかという段階が必ず来る。
そして取り崩し方の設計は、積立額の設定と同じかそれ以上に結果を左右する。
目次
二つの取り崩し方

定額取り崩し — 毎月一定額を引き出す
生活設計は立てやすい。しかし相場が下落した局面では、同じ金額を得るためにより多くの口数を売却することになる。
積立の逆の現象である。積立では安いときに多く買えるのが利点だったが、取り崩しでは安いときに多く売ることになり、不利に働く。
定率取り崩し — 毎年資産の一定割合を引き出す
資産額に比例するため、下落局面では引き出す金額も自動的に減る。資産が尽きにくいという点で優れている。
一方で受取額が年によって変動するため、生活費の全額をこれで賄う設計には向かない。
現実的には併用になる公的年金という定額の収入がすでにある前提なら、不足分を定率で取り崩すという組み合わせが機能しやすい。年金額の見込みを把握しておくことが、出口設計の前提になる。
NISA の売却枠は翌年復活する
取り崩しの文脈では、NISA の枠の仕組みも関係してくる。売却した分の非課税枠は翌年に復活する(取得時の価額ベース)。
つまり一度に大きく売却しても、その枠は翌年戻ってくる。生活資金として取り崩しながら、余裕がある年に再び枠を使うという運用も制度上は可能である。
取り崩しの前に決めておくこと
- 何のために取り崩すのかを定義する生活費の補填なのか、特定の支出(住宅・教育)なのかで、必要な時期と金額が変わる。
- 取り崩し開始時期の目安を決める相場を見て決めようとすると、たいてい決められない。年齢や退職時期など、相場と無関係な基準を置く。
- 定額か定率か、比率を決める公的年金など他の収入と合わせて、不足分をどう補うかで設計する。
- 現金クッションを別に確保する下落局面で売却せずに済む期間を作るため、生活費の 2〜3 年分を現金で持つという考え方もある。
相場が下がったときに売らずに済む仕組みを持っているかどうか。出口戦略の実体はそこにある。
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よくある質問
- 定額取り崩しと定率取り崩しはどちらがいいですか?
- 資産の持続性では定率が優れています。下落時に引き出す金額も自動的に減るためです。ただし受取額が変動するため、生活費の全額を賄う用途には向きません。公的年金と組み合わせ、不足分を定率で補う設計が現実的です。
- NISAで売却した枠はいつ復活しますか?
- 翌年に復活します。復活するのは取得時の価額(簿価)に対応する分です。
- 取り崩しはいつから始めるべきですか?
- 相場を基準にすると判断できなくなるため、退職時期や年齢など相場と無関係な基準で決めることを推奨します。
- 下落局面で取り崩さないためにはどうすればいいですか?
- 生活費の数年分を現金で確保しておく方法があります。下落中は現金から取り崩し、回復後に資産を売却するという運用が可能になります。
本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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