FOMCと日銀会合をどう読むか — 市場が織り込んでいるのは「利下げ」ではない(2026年7月)

FOMCと日銀会合をどう読むか — 市場が織り込んでいるのは「利下げ」ではない(2026年7月)

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Market Note / 金融政策

今週は日米で金融政策会合が重なる。ただし注目すべきは決定そのものではない。すでに答えは織り込まれているからだ。

市場が何をどれだけ織り込んでいるかを先に確認する。そこからずれたときにだけ、相場は動く。

結論

7 月 FOMC(28〜29 日)で市場が織り込むのは据え置き 64.2%、0.25% の利上げ 35.8%(7/22 時点)。注意すべきは利下げではなく利上げが織り込まれている点である。日銀(30〜31 日)は市場調査で回答者全員が据え置きを予想。したがって見るべきは決定ではなく、声明と会見で今後の道筋がどう語られるかになる。

この記事の位置づけ公表された市場データと報道にもとづく論点の整理です。相場の予測や売買の推奨ではありません。確率は日々変動し、記載は執筆時点のものです。
目次

FOMC — 織り込まれているのは利上げのほう

Fig. 7 月 FOMC の織り込みFig. 7 月 FOMC の織り込み|FedWatch(7/22 時点)にもとづく報道より。据え置き 64.2%、0.25% 利上げ 35.8%。
FedWatch(7/22 時点)にもとづく報道より。据え置き 64.2%、0.25% 利上げ 35.8%。

ここが今回いちばん重要な点である。多くの人が「利下げがいつ来るか」という枠組みで考えているが、市場が現在織り込んでいるのは利上げの可能性のほうだ。

経緯を整理すると、昨年 9 月の FOMC から 3 会合連続で利下げが行われた。しかし今年に入ってからは 4 会合連続で据え置きとなっている。政策金利は 3.50〜3.75% である。

据え置きが続く理由

6 月の CPI・PPI が鈍化したことが「様子見」の根拠になっている。一方でインフレの根強さへの警戒は残っており、9 月以降の利上げを織り込む動きが出ている。年内に計 75bp の利上げを予想する金融機関もある。

フォワードガイダンスが廃止されている

もう一つの構造変化がこれである。ウォーシュ議長がフォワードガイダンスを廃止したため、事前の確約がない状態になっている。

先の道筋が示されないなら、投資家は毎回の声明と会見から読み取るしかない。会合ごとの振れ幅は大きくなる。

ガイダンスがあった時代は「次はこうする」という予告があった。それが無くなった以上、会合のたびに解釈のやり直しが発生する。相場の変動が大きくなりやすい構造である。

日銀 — 据え置きは決まっているようなもの

日銀の金融政策決定会合は 30〜31 日。市場関係者を対象とした調査では、回答者全員が 7 月会合での据え置きを予想している。追加利上げの時期については 12 月を予想する声が最も多い。

つまり決定内容にサプライズの余地はほとんどない。焦点は会合後の説明で、次の一手がどう示唆されるかに移る。

長期金利はすでに動いている日本の長期金利(新発 10 年国債利回り)は 2.830% と、1996 年 10 月以来の水準にある。政策金利は 2025 年 12 月に 0.5% から 0.75% へ引き上げられた。政策が動く前に、市場が先に動いている状態である。

今週の日程

Fig. 今週見るべきものFig. 今週見るべきもの|金融政策会合に加え、日米韓のテック決算と欧米の GDP が重なる。
金融政策会合に加え、日米韓のテック決算と欧米の GDP が重なる。

声明のどこを読むか

決定が織り込み済みである以上、相場が反応するのは文言の変化である。具体的には次の 3 点を見る。

  1. インフレに関する表現——「鈍化している」なのか「依然として高い」なのか。形容詞の変化が方向を示す
  2. 労働市場への言及——雇用が強ければ利上げ余地、弱ければ据え置き継続の根拠になる
  3. 反対票の数——全会一致か、利上げ提案が出たか。割れていれば次回への含みが生まれる

日銀については、物価見通しの上方修正があるか、そして総裁会見で次回以降の可能性がどう語られるかが焦点になる。

為替を通じて株式に波及する

日米で金融政策が同じ週に決まる意味は、金利差の見通しが一度に更新されることにある。

円には下落圧力がかかった状態が続いている。ここで日米の金利差に対する見方が変われば、為替が動き、輸出企業の採算見通しを通じて株式に波及する。金融政策 → 為替 → 株式という経路を意識しておくと、値動きの理由が追いやすくなる。

個人としてどう構えるか

  1. 積立の設定は触らないイベントを前に止めるのは、相場を予測して行動することと同じである。予測しない前提で組んだ仕組みを予測で止めるのは一貫しない。
  2. 現金比率だけ確認する荒れたときに売らずに済むかは現金の量で決まる。ここだけは事前に確認しておく。
  3. 新規の判断を増やさないイベント週は値動きが荒くなる。判断の回数を増やせば、誤りの回数も増える。

イベント週の特徴は、方向が出ることではなく、振れ幅が大きくなることである。

金利の方向を当てにいく必要はない。金利がどちらに動いても耐えられる配分になっているかを確認するほうが、はるかに実行しやすく、外れても致命傷にならない。

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よくある質問

2026年7月のFOMCで利下げはありますか?
市場が織り込んでいるのは据え置き64.2%、0.25%の利上げ35.8%です(7/22時点)。利下げではなく利上げの可能性が織り込まれている状況です。政策金利は3.50〜3.75%です。
日銀は7月会合で利上げしますか?
市場関係者を対象とした調査では、回答者全員が据え置きを予想しています。追加利上げの時期は12月を予想する声が最も多い状況です。
金融政策会合で株価はどう動きますか?
決定内容が織り込み済みの場合、相場が反応するのは声明の文言変化です。インフレへの表現、労働市場への言及、反対票の有無などが焦点になります。
イベント週に積立を止めるべきですか?
積立は相場を予測しない前提で組まれた仕組みです。予測にもとづいて止めるのは設計と一貫しません。不安な場合は停止ではなく現金比率の確認を推奨します。

出典

  • FedWatch(7/22 時点)にもとづく各種報道および証券会社のレポート
  • 日本経済新聞「日銀7月会合は全員が維持予想」「米利上げ観測、急速に盛り返す」
  • 日本銀行の金融政策決定会合に関する公表資料

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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