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日本株259銘柄をPBRの低い順に並べました。ただし、これは買い物リストではありません。
上位30社のうち8社は、実績EPSと予想EPSが食い違っていて、PERもROEも計算できませんでした。そこまで含めて表に出します。
PBRがいちばん低いのはマツダの0.39倍です(2026年09月06日時点、監視している日本株259銘柄のうち)。
ただし上位30社のうち8社はEPSが不整合で、PERもROEも計算できません。「PBRが低い」以外のことが分からない状態です。
さらに上位30社には電力会社が5社入っています。PBRの低さが業種の事情に引っ張られている、という見方ができます。

先に — このランキングの読み方
PBRは株価 ÷ 1株あたり純資産です。1倍を下回ると「解散価値より安い」と言われますが、それだけで割安と判断はできません。理由は分解すると見えます。
PBR = PER × ROE
つまりPBRが低いのは、PERが低い(将来を割り引かれている)か、ROEが低い(そもそも稼げていない)かのどちらかです。前者は見直される余地がありますが、後者は安いなりの理由があります。下の表では、PBRの隣にPERと逆算したROEを並べました。
PBRが低い順 上位30
| # | コード | 銘柄 | PBR | PER | 逆算ROE | 見立て |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 7261 | マツダ | 0.39 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 2 | 5411 | JFEHD | 0.44 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 3 | 9504 | 中国電力 | 0.48 | 5.5 | 8.7% | PERが低い |
| 4 | 9509 | 北海道電力 | 0.49 | 8.3 | 5.9% | PERが低い |
| 5 | 7267 | ホンダ | 0.53 | 7.4 | 7.2% | PERが低い |
| 6 | 9506 | 東北電力 | 0.60 | 5.1 | 11.7% | PERが低い |
| 7 | 5406 | 神戸製鋼所 | 0.64 | 7.4 | 8.7% | PERが低い |
| 8 | 5401 | 日本製鉄 | 0.64 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 9 | 1911 | 住友林業 | 0.64 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 10 | 5233 | 太平洋セメント | 0.67 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 11 | 7270 | SUBARU | 0.67 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 12 | 3861 | 王子HD | 0.69 | 11.5 | 6.0% | — |
| 13 | 9502 | 中部電力 | 0.70 | 12.5 | 5.6% | — |
| 14 | 9022 | JR東海 | 0.71 | 9.1 | 7.8% | — |
| 15 | 4118 | カネカ | 0.73 | 14.0 | 5.2% | — |
| 16 | 3405 | クラレ | 0.73 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 17 | 9048 | 名古屋鉄道 | 0.74 | 13.1 | 5.6% | — |
| 18 | 7259 | アイシン | 0.74 | 9.9 | 7.5% | — |
| 19 | 2502 | アサヒGHD | 0.75 | 11.5 | 6.6% | — |
| 20 | 5201 | AGC | 0.78 | 13.5 | 5.7% | — |
| 21 | 6471 | 日本精工 | 0.79 | 19.1 | 4.2% | — |
| 22 | 9104 | 商船三井 | 0.80 | 12.4 | 6.5% | — |
| 23 | 9508 | 九州電力 | 0.82 | 13.2 | 6.2% | — |
| 24 | 3116 | トヨタ紡織 | 0.83 | 8.3 | 10.1% | PERが低い |
| 25 | 6473 | ジェイテクト | 0.86 | — | — | EPS不整合 PERもROEも計算できない |
| 26 | 1605 | INPEX | 0.86 | 14.1 | 6.1% | — |
| 27 | 7180 | 九州FG | 0.87 | 21.4 | 4.0% | — |
| 28 | 5711 | 三菱マテリアル | 0.88 | 15.6 | 5.7% | — |
| 29 | 9201 | JAL | 0.89 | 12.1 | 7.4% | — |
| 30 | 4061 | デンカ | 0.90 | 17.7 | 5.1% | — |
電力会社が5社入っています。PBRが低い業種はまとまって出てくるので、ランキングは「割安な会社の順位」ではなく「その業種がどう見られているかの順位」に近くなります。
電力については電力株のPBRが0.46倍でも「割安」と言い切れない理由に別途書きました。

EPSの食い違いが大きい順 上位30
もうひとつのランキングです。実績EPS(直近12か月)と予想EPS(会社予想ベース)がどれだけ食い違っているかを並べました。ここが開いている銘柄は、どちらのEPSを使うかでPERが何倍も変わります。
| # | コード | 銘柄 | 実績EPS | 予想EPS | 食い違い | 採用EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 5401 | 日本製鉄 | 3 | 558 | +17,069% | 3 |
| 2 | 6460 | セガサミーHD | -27 | 247 | +1,008% | 247 |
| 3 | 7267 | ホンダ | -37 | 228 | +717% | 228 |
| 4 | 9147 | NIPPON EXPRESSHD | 78 | 617 | +691% | 78 |
| 5 | 2501 | サッポロHD | 24 | 172 | +607% | 24 |
| 6 | 3405 | クラレ | 27 | 188 | +597% | 27 |
| 7 | 8233 | 高島屋 | -27 | 132 | +581% | 132 |
| 8 | 4307 | 野村総合研究所 | 27 | 175 | +553% | 27 |
| 9 | 6141 | DMG森精機 | 49 | 284 | +482% | 49 |
| 10 | 9843 | ニトリHD | 158 | 893 | +466% | 158 |
| 11 | 8001 | 伊藤忠商事 | 128 | 647 | +405% | 128 |
| 12 | 4183 | 三井化学 | 92 | 456 | +397% | 92 |
| 13 | 7261 | マツダ | 56 | 274 | +393% | 56 |
| 14 | 7532 | パン・パシフィックHD | 37 | 177 | +383% | 37 |
| 15 | 8113 | ユニ・チャーム | 37 | 177 | +375% | 37 |
| 16 | 3231 | 野村不動産HD | 97 | 443 | +359% | 97 |
| 17 | 1911 | 住友林業 | 138 | 626 | +355% | 138 |
| 18 | 7012 | 川崎重工業 | 129 | 571 | +341% | 129 |
| 19 | 7013 | IHI | 152 | 578 | +281% | 152 |
| 20 | 9008 | 京王電鉄 | 73 | 274 | +275% | 73 |
| 21 | 8053 | 住友商事 | 125 | 443 | +256% | 125 |
| 22 | 7270 | SUBARU | 126 | 446 | +256% | 126 |
| 23 | 6701 | NEC | 203 | 719 | +255% | 203 |
| 24 | 6724 | セイコーエプソン | 57 | 202 | +255% | 57 |
| 25 | 9684 | スクウェア・エニックスHD | 82 | 282 | +243% | 82 |
| 26 | 4502 | 武田薬品工業 | -105 | 140 | +234% | 140 |
| 27 | 6473 | ジェイテクト | 38 | 126 | +234% | 38 |
| 28 | 8088 | 岩谷産業 | 207 | 688 | +232% | 207 |
| 29 | 9009 | 京成電鉄 | 100 | 330 | +228% | 100 |
| 30 | 5803 | フジクラ | 95 | 303 | +219% | 95 |
上位30社のうち4社は実績EPSがマイナスです。前期に赤字だった会社が黒字予想に転じると、この食い違いは自動的に巨大になります。数字が大きいこと自体は異常を意味しません。
では何が問題なのか
問題は、どちらのEPSでPERを計算しているか分からないまま「PER◯倍だから割安」と言われることです。
| 使うEPS | PERの出方 | 起きること |
|---|---|---|
| 実績EPS(赤字や一過性の損失を含む) | 極端に高く出る、またはマイナス | 「割高」と誤読される |
| 予想EPS(回復後の見込み) | 低く出る | 「割安」と誤読される |
| 分割の未調整 | 株価だけ半分になりEPSが元のまま | PERが半分に見える |
この3つ目が最も気づきにくいところです。以前、スクリーナーが「割安上位」と出した18銘柄を1社ずつ検算したとき、17銘柄でEPSに問題が見つかりました。乖離が+90.1%と出ていた銘柄は、分割を調整したら−4.9%でした。
この表でやってはいけないこと
| やりがちなこと | なぜ危ないか |
|---|---|
| 上から順に買う | PBRの低さは業種の事情に引っ張られる。同じ業種が並んでいるとき、それは分散になっていない |
| EPS不整合の行を無視して読む | その行のPERとROEは計算できていない。「—」は空欄ではなく判断保留の意味 |
| この数字のまま鵜呑みにする | 出どころは自作ツールで、財務データは外部APIに依存している。各社の決算短信で確認しないと使えない |
| ランキングの順位が上がった下がったで売買する | 株価が動けばPBRは毎日変わる。順位の変動はノイズを多く含む |
自分で確かめる手順
気になる銘柄が見つかったら、次の順で確認してください。ここまでやって初めて、PBRの数字が使えるようになります。
| 確認すること | どこで | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1株あたり純資産(BPS) | 決算短信の1ページ目 | PBR=株価÷BPS。BPSが古いとPBRもずれる |
| 純利益の実績と予想 | 決算短信 | 実績が赤字なら、実績PERは意味を持たない |
| 株式分割の有無 | 適時開示(TDnet) | 分割後に株価だけ下がって見えていないか |
| 一過性の損益 | 決算短信の特別損益 | 資産売却益が入った期は、翌期に必ず落ちる |
| ROEの実績値 | 決算短信・統合報告書 | 逆算値ではなく、会社が出している数字を見る |
- PBRが1倍を下回ると必ず割安ですか
いいえ。PBRは PER × ROE に分解できます。ROEが低いままなら、純資産は増えないので「解散価値より安い」状態が続くこともあります。1倍割れが何年も続いている会社は珍しくありません。
- なぜ電力会社がPBR上位に並ぶのですか
規制で料金が決まる事業のため、利益の伸びが読みにくく、ROEが低めに評価されやすいという事情があります。加えて原発の再稼働など、業績を左右する要素が会社の努力の外側にあります。
- EPS不整合の銘柄は買ってはいけないのですか
そうは書いていません。この表の数字では判断できない、というだけです。各社の決算短信を読めば、なぜ食い違っているかは分かります。
- このランキングはいつのデータですか
2026年09月06日 00:36時点です。株価が動けばPBRは毎日変わります。データを取り直したときに、この記事も書き換えています。
- データの出どころは何ですか
自作の株価スクリーナー「KAIRI」です。株価と財務データは外部のAPIから取得しており、各社が公表している数字と一致しないことがあります。実際に判断へ使うときは、決算短信で確認してください。
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