スクリーナー1位の銘柄に、自分で旗を立てた — 適正株価がアナリスト目標の1.6倍になるとき

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結論

監視279銘柄のうち「割安」判定は43。信頼度と評価モデルで削ると18まで減る。

乖離率1位はルネサスエレクトロニクスの+125.4%。ただしこの銘柄には自作の警告が出ている。

理由は、スクリーナーが出した適正株価7,818円が、アナリスト13名の目標平均4,958円の1.58倍だから。差が1.5倍を超えたら、市場が間違っているのではなく自分の入力を疑う。

自作の株価スクリーナー「KAIRI」の判定を、実際の相場で検証していく記録です。今回は「1位の銘柄ほど信用してはいけない」という話を、当日の実データで書きます。

目次

まず、43から18まで削る

スクリーナーの絞り込み|279銘柄から18銘柄まで削る過程
図11 「割安43」は、そのままでは買い候補にならない

スクリーナーが「割安」と言うのは、理論価格より現在価格が低いというだけの話です。理論価格の計算に使った数字が怪しければ、その割安はただの計算違いになります。

段階残った数落としたもの
① 割安判定43 銘柄理論価格より安い、というだけの集合
② 信頼度 high29 銘柄アナリスト数が少ない、指標が欠けているものを除外
③ 全モデル一致18 銘柄PER・PBR・配当など複数モデルのうち一つでも「割安でない」と言えば除外
④ EPSの出所を確認18 銘柄会社予想とアナリスト予想が食い違うものは②③の前に除外済み
2026年8月21日時点。監視279銘柄のスナップショットより

1位のルネサスに、旗が立っている

乖離率で並べると1位はルネサスエレクトロニクス(6723)です。数字はこうなっています。

項目
現在値3,469円
スクリーナーの適正株価7,818円
乖離率+125.4%
アナリスト目標株価の平均4,958円(13名)
採用EPS279.21円(会社予想ベース・fwd)
PER12.4倍
PBR2.22倍
配当利回り0.81%
信頼度mid(highではない)
警告「アナリスト目標株価の1.6倍 — EPSが一過性の可能性」
出典:KAIRI(自作スクリーナー)2026年8月21日時点の値

なぜ旗が立つのか

適正株価7,818円 ÷ アナリスト目標4,958円 = 1.58倍。この比が1.5倍を超えたら警告を出すようにしてあります。

13人のプロが業績を読んで出した平均が4,958円なのに、私の計算だけが7,818円だと言う。このとき考えられるのは二つです。私が正しくて市場が間違っているか、私の入力が壊れているか。経験上、後者のほうが圧倒的に多い。

自分の計算が市場より1.6倍強気になったとき、それは発見ではなく、たいてい入力ミスである。

EPSが一過性の利益で膨らんでいると、PERが不当に低く出て、理論価格が跳ね上がります。事業売却益、税効果の戻し、決算期の変更。どれも「今期だけ」の数字です。スクリーナーはその一過性を区別できないので、人間が決算短信を開いて確かめるしかありません。

この銘柄をどう扱うか

STEP
決算短信で利益の中身を見る

営業利益・経常利益・純利益の関係を見て、特別利益が乗っていないかを確かめる。

STEP
採用EPS × 発行済株式数 ≒ 会社の純利益予想か検算する

ここがずれていれば、PERも理論価格も全部ずれている。

STEP
信頼度がmidである意味を受け取る

13名という人数は少なくないが、指標のどこかが欠けている。highに上がらない理由を探す。

STEP
旗が立っている間は買わない

確認が終わるまで、順位は無視する。1位であることは、確かさとは無関係。

では、どこを見るか

警告の出ていない18銘柄のほうを載せておきます。これは買い推奨ではありません。ここから先も、決算短信を開いて前提を確かめる工程が必ず入ります。

銘柄現在値乖離率アナリスト目標PERPBR
メタ(META)542.7 ドル+79.1%754.1 ドル(57名)15.6倍5.29倍
積水ハウス(1928)3,437円+64.7%3,828円(9名)9.1倍1.03倍
クアルコム(QCOM)163.5 ドル+62.3%193.1 ドル(30名)16.0倍6.25倍
アサヒグループHD(2502)1,672円+54.1%2,053円(15名)11.7倍0.77倍
大和ハウス工業(1925)4,651円+51.8%5,002円(9名)9.9倍0.99倍
トヨタ紡織(3116)2,266円+46.8%2,423円(8名)8.2倍0.82倍
JR東海(9022)3,865円+42.8%4,402円(11名)9.1倍0.71倍
出典:KAIRI 2026年8月21日時点。乖離率はスクリーナーの適正株価に対する現在値の割安幅

この7銘柄はいずれも、適正株価がアナリスト目標の1.5倍を超えていません。つまり「自分の計算とプロの見立てが、方向としては一致している」状態です。一致しているから正しいわけではありませんが、少なくとも入力が壊れている可能性は低い。

乖離率が大きい銘柄ほど有望ですか?

いいえ。乖離率が大きいということは、自分の計算と市場の評価が大きく食い違っているということです。市場のほうが正しいことも同じくらいあります。乖離が大きいときほど、まず理由を探すべきです。

アナリストの目標株価はどれくらい信用できますか?

当たる予想ではありませんが、複数のプロが業績を読んだ結果の平均という意味で、自分の計算の外部チェックには使えます。自分の値がその1.5倍を超えたら、自分を疑う目安にしています。

EPSが一過性かどうかは、どこで分かりますか?

決算短信の損益計算書で、特別利益や税効果の影響を確認します。営業利益は横ばいなのに純利益だけ跳ねている年は、たいてい一過性の要因が入っています。

信頼度mid と high の違いは何ですか?

アナリスト人数、指標の欠損、EPSの出所の一致など、根拠の確かさで分けています。midは「判断材料が足りない」という意味で、悪い銘柄という意味ではありません。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の売買を推奨するものではありません。数値は執筆時点のものです。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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