日経平均は週間+1,304円で介入ショックから回復 — ただし円は4営業日で3分の1戻した(2026年8月7日)

日経平均は週間+1,304円で介入ショックから回復 — ただし円は4営業日で3分の1戻した(2026年8月7日)

読了時間の目安約 10 分4,755 字

Market Note / 2026.08.03 – 08.07

株は戻った。円は、介入で動いた分の 3 分の 1 を 4 営業日で返した。

週間 +1,304 円。ただし日中は毎日 1,000 円超動いている。介入に何ができて何ができないかが、数字ではっきり出た 1 週間だった。

結論

日経平均は 8 月 7 日終値 65,666.61 円週間では +1,304.59 円(+2.03%)で、週明けの介入ショックから完全に戻した。牽引したのは 8 月 5 日の +2,342.91 円(+3.66%)である。ただし為替は別の答えを出した。円は 8 月 3 日の 155.23 円から 158.35 円へ戻り、介入で動いた 8.77 円のうち 3.12 円——35.6% が 4 営業日で消えた。介入は水準を作らない。先週の記事で書いたことの答え合わせになった。

この記事の位置づけ2026 年 8 月 7 日大引け時点の記録です。相場の予測や売買の推奨ではありません。同日夜に発表される 7 月の米雇用統計は本記事の対象外です。
目次

今週の日経平均

Fig. 今週の値動きFig. 今週の値動き|8/3 に 607 円安で始まり、8/5 に 2,342.91 円高(+3.66%)。週間では +1,304.59 円(+2.03%)。
8/3 に 607 円安で始まり、8/5 に 2,342.91 円高(+3.66%)。週間では +1,304.59 円(+2.03%)。
日付終値前日比メモ
7/31(金)64,362.02 円+2,494.59 円先週末
8/3(月)63,754.90 円−607.12 円(−0.94%)協調介入を受けた円高で下落
8/4(火)63,957.53 円+202.63 円(+0.32%)小幅反発
8/5(水)66,300.44 円+2,342.91 円(+3.66%)週の主役。高値 66,302.52 円
8/6(木)65,683.26 円−617.18 円(−0.93%)利益確定
8/7(金)65,666.61 円−16.65 円(−0.03%)ほぼ変わらず。ただし日中値幅は 1,339 円
週間+1,304.59 円(+2.03%)週間の値幅は 3,599 円
終値ベース。週間高値は 8/5 の 66,302.52 円、週間安値は 8/3 の 62,703.47 円。

数字だけ見れば good な 1 週間である。しかし中身は荒い。週の値幅は 3,599 円、最終日の 8 月 7 日だけでも日中に 1,339 円動いている。

8 月 7 日は高値 65,990.72 円(9:02)から安値 64,651.49 円(10:42)まで 1 時間半で 1,339 円下げ、そこから引けにかけて戻した。前引けは 644 円安だったが、終値は 16 円安である。

週足で見れば +2.03% の上昇。日中を見れば、毎日が別の相場だった。

為替 — 介入の効果は 4 営業日で 3 分の 1 が消えた

Fig. 介入で動いた幅と、戻った幅Fig. 介入で動いた幅と、戻った幅|7 月下旬の 164.00 円から 8/3 の 155.23 円まで 8.77 円動いたうち、8/7 時点で 3.12 円(35.6%)が戻っている。
7 月下旬の 164.00 円から 8/3 の 155.23 円まで 8.77 円動いたうち、8/7 時点で 3.12 円(35.6%)が戻っている。
時点ドル円メモ
7 月下旬164.00 円に迫る約 40 年ぶりの円安水準
7 月 31 日日米協調介入を実施15 年ぶり/円買いでは 28 年ぶり
8 月 3 日 安値155.23 円介入後の円高ピーク
8 月 3 日 昼156.50 円——
8 月 7 日158.35 円円高ピークから 3.12 円(35.6%)戻した
2026 年 8 月 7 日時点。ドル円が上がることは円安を意味する。

先週の記事で「介入は時間を買う手段であって、トレンドを変える手段ではない」と書いた。4 営業日で答えが出た形である。

なぜ戻ったのか

材料ははっきりしている。米国の金利が上がったからだ。

FRB のウォーシュ議長が、インフレが高進すれば利上げの用意があると報じられた。これを受けて米 10 年物国債の利回りは 0.065% 上昇し、4.678% になった。

  1. 米国の金利が上がる
  2. 日米の金利差が開く
  3. お金は金利の高いほうへ動く
  4. 円が売られ、ドルが買われる
  5. 介入で作った円高が押し戻される
介入は「効かなかった」のではない155 円台まで動かした事実は残っており、過度な変動を止めるという目的は一定程度果たしています。ただし為替の方向を決めるのは金利差であり、介入はその流れに一時的に逆らう手段です。「効果がない」でも「効果がある」でもなく、できることの範囲が決まっていると理解するのが正確です。

日米共同声明の中身

8 月 3 日、片山さつき財務相とベセント米財務長官がそれぞれ談話を出した。

  • 米国東部時間 7 月 31 日に協調円買い介入を実施したことを認めた
  • 2025 年 9 月の日米財務大臣共同声明にもとづく措置と位置づけた
  • 「さらなる協調介入もちゅうちょしない」との姿勢を表明した

この「ちゅうちょしない」という文言は、次があり得ると market に伝えることで、実弾を使わずに円安圧力を抑える狙いを持つ。ただし今週の値動きを見る限り、その効果も金利差の前では限定的だった。

セクター — 半導体が完全に戻り、内需と輸送が沈んだ

自作スクリーナー KAIRI で 279 銘柄を集計した。8 月 7 日大引け時点の 5 営業日騰落率(中央値)である。

業種5 日騰落率(中央値)銘柄数
米国・Mag7+9.4%7
米国・半導体+5.1%13
素材・化学+3.3%25
情報通信+2.9%20
半導体(日本)+2.5%10
電機・精密+2.3%29
金融+0.9%25
自動車−1.6%13
建設・不動産−1.7%16
運輸−2.4%18
2026 年 8 月 7 日大引け時点、自作スクリーナー KAIRI による集計。

半導体の 1 週間

時点半導体(日本)10 銘柄の 5 日騰落率(中央値)
8 月 1 日−15.8%
8 月 3 日−5.4%
8 月 7 日+2.5%
6 営業日で 18.3 ポイントの改善。

6 営業日で 18.3 ポイント戻した。7 月末に「セクターまるごと売られた」と書いた状態は、いったん解消したことになる。

  • イビデン +15.0%——週間で最も戻した
  • ルネサスエレクトロニクス +9.5%——割安判定は継続
  • SCREEN HD +3.6%——こちらも割安判定
  • 一方で東京エレクトロン −1.5%、レーザーテック −1.1%、アドバンテスト −1.0%と戻っていない銘柄もある

沈んだのは自動車・建設・運輸

プラスが並ぶなかで、マイナスは自動車(−1.6%)、建設・不動産(−1.7%)、運輸(−2.4%)の 3 業種だった。

自動車は円高の影響を受ける代表格である。週明けの介入で円高に振れた分が、まだ株価に残っている。為替が 158 円台まで戻したことが今後どう効くかは、来週以降の値動きで確認することになる。

指数が 2% 上がった週に、下げている業種が 3 つある。「相場が good だった」で終わらせると、この差は見えない。

スクリーナーの全体像

  • 割安判定は 279 銘柄中 42 銘柄(先週 48 銘柄から減少)
  • 平均乖離は −9.0%(先週 −5.9% から拡大)
  • 高信頼度の割安は 39 銘柄

株価が上がった分だけ、割安と判定される銘柄は減る。当然の動きである。なお乖離は目標 PER 15 倍を前提とした筆者の仮説にもとづく計算値であり、そのまま買える数字ではない。

来週見るべきこと

  1. 7 月の米雇用統計8 月 7 日の夜に発表される。結果次第で米金利が動き、為替に直結する。強ければ利上げ観測が強まり円安方向、弱ければ逆になりやすい。
  2. 介入が再び入るか共同声明は「さらなる協調介入もちゅうちょしない」としている。160 円が意識される水準になるかどうかが焦点になる。
  3. 決算発表のピーク8 月 7 日だけで 679 社が発表した。各社の想定為替レートと実勢の 158 円との差が、通期見通しの修正につながる。
  4. 半導体の戻りが続くか5 日騰落率は +2.5% まで戻したが、東京エレクトロンなど戻っていない銘柄もある。セクター全体の戻りなのか、一部銘柄の戻りなのかを見分ける。

今週の整理

  • 日経平均は 週間 +1,304.59 円(+2.03%)。介入ショックから完全に回復
  • 牽引したのは 8/5 の +2,342.91 円(+3.66%)
  • 週間の値幅は 3,599 円、8/7 だけでも日中 1,339 円。中身は荒い
  • 円は 155.23 円から 158.35 円へ。介入で動いた幅の 35.6% が 4 営業日で戻った
  • 理由はウォーシュ FRB 議長の利上げ示唆と米 10 年債利回りの上昇(4.678%)
  • 日米共同声明は「さらなる協調介入もちゅうちょしない」と表明
  • 半導体は 6 営業日で 18.3 ポイント改善(−15.8% → +2.5%)
  • 自動車・建設・運輸の 3 業種はマイナス。円高の影響が残る
  • 割安判定は 48 → 42 銘柄に減少

介入は水準を作らない。作れるのは時間だけである。この 1 週間は、そのことを実際の数字で見せてくれた。

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よくある質問

2026年8月7日の日経平均の終値はいくらですか?
65,666.61円で、前日比16.65円安(−0.03%)でした。週間では先週末比1,304.59円高(+2.03%)となり、週明けの下落から回復しています。ただし当日の日中値幅は1,339.23円と大きく、高値65,990.72円から安値64,651.49円まで下げたあと引けにかけて戻しました。
日米の為替介入の効果はどうなりましたか?
一時的でした。7月下旬に164円に迫っていた円相場は8月3日に155.23円まで円高が進みましたが、8月7日には158.35円へ戻っています。介入で動いた8.77円のうち3.12円、35.6%が4営業日で戻った計算です。
なぜ介入後に再び円安へ戻ったのですか?
米国の金利が上昇したためです。FRBのウォーシュ議長がインフレ高進時には利上げの用意があると報じられ、米10年物国債の利回りは0.065%上昇して4.678%になりました。日米の金利差が開くと資金は金利の高い通貨へ向かうため、円が売られやすくなります。
日米共同声明にはどんな内容が書かれていましたか?
2026年8月3日、片山さつき財務相とベセント米財務長官がそれぞれ談話を発表し、米国東部時間7月31日に協調円買い介入を実施したことを認めました。2025年9月の日米財務大臣共同声明にもとづく措置と位置づけ、「さらなる協調介入もちゅうちょしない」との姿勢を示しています。
半導体株は戻りましたか?
大きく戻りました。自作スクリーナーで日本の半導体10銘柄の5営業日騰落率の中央値を見ると、8月1日の−15.8%から8月7日には+2.5%へ、6営業日で18.3ポイント改善しています。ただし東京エレクトロン(−1.5%)など戻っていない銘柄もあり、セクター全体が一様に回復したわけではありません。

出典

  • 日経平均・ドル円の各値はYahoo!ファイナンスの2026年8月7日大引け時点の公表値
  • NHK「日経平均株価 値下がり AI・半導体関連中心に売り注文」(2026年8月7日)
  • NHK「日米で協調介入 片山財務相 “さらなる実施もちゅうちょせず”」
  • 時事通信「日米、円安阻止へ共同声明 片山財務相、3日対応表明へ」
  • 日本経済新聞「日経平均株価、反発 終値は202円高の6万3957円」(2026年8月4日)
  • 米10年債利回りおよびウォーシュFRB議長に関する報道(2026年8月7日時点)
  • 業種別騰落率および割安判定は自作スクリーナー KAIRI による集計(2026年8月7日大引け時点、279銘柄)

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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