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株は戻った。円は、介入で動いた分の 3 分の 1 を 4 営業日で返した。
週間 +1,304 円。ただし日中は毎日 1,000 円超動いている。介入に何ができて何ができないかが、数字ではっきり出た 1 週間だった。
日経平均は 8 月 7 日終値 65,666.61 円。週間では +1,304.59 円(+2.03%)で、週明けの介入ショックから完全に戻した。牽引したのは 8 月 5 日の +2,342.91 円(+3.66%)である。ただし為替は別の答えを出した。円は 8 月 3 日の 155.23 円から 158.35 円へ戻り、介入で動いた 8.77 円のうち 3.12 円——35.6% が 4 営業日で消えた。介入は水準を作らない。先週の記事で書いたことの答え合わせになった。
今週の日経平均

| 日付 | 終値 | 前日比 | メモ |
|---|---|---|---|
| 7/31(金) | 64,362.02 円 | +2,494.59 円 | 先週末 |
| 8/3(月) | 63,754.90 円 | −607.12 円(−0.94%) | 協調介入を受けた円高で下落 |
| 8/4(火) | 63,957.53 円 | +202.63 円(+0.32%) | 小幅反発 |
| 8/5(水) | 66,300.44 円 | +2,342.91 円(+3.66%) | 週の主役。高値 66,302.52 円 |
| 8/6(木) | 65,683.26 円 | −617.18 円(−0.93%) | 利益確定 |
| 8/7(金) | 65,666.61 円 | −16.65 円(−0.03%) | ほぼ変わらず。ただし日中値幅は 1,339 円 |
| 週間 | — | +1,304.59 円(+2.03%) | 週間の値幅は 3,599 円 |
数字だけ見れば good な 1 週間である。しかし中身は荒い。週の値幅は 3,599 円、最終日の 8 月 7 日だけでも日中に 1,339 円動いている。
8 月 7 日は高値 65,990.72 円(9:02)から安値 64,651.49 円(10:42)まで 1 時間半で 1,339 円下げ、そこから引けにかけて戻した。前引けは 644 円安だったが、終値は 16 円安である。
週足で見れば +2.03% の上昇。日中を見れば、毎日が別の相場だった。
為替 — 介入の効果は 4 営業日で 3 分の 1 が消えた

| 時点 | ドル円 | メモ |
|---|---|---|
| 7 月下旬 | 164.00 円に迫る | 約 40 年ぶりの円安水準 |
| 7 月 31 日 | 日米協調介入を実施 | 15 年ぶり/円買いでは 28 年ぶり |
| 8 月 3 日 安値 | 155.23 円 | 介入後の円高ピーク |
| 8 月 3 日 昼 | 156.50 円 | —— |
| 8 月 7 日 | 158.35 円 | 円高ピークから 3.12 円(35.6%)戻した |
先週の記事で「介入は時間を買う手段であって、トレンドを変える手段ではない」と書いた。4 営業日で答えが出た形である。
なぜ戻ったのか
材料ははっきりしている。米国の金利が上がったからだ。
FRB のウォーシュ議長が、インフレが高進すれば利上げの用意があると報じられた。これを受けて米 10 年物国債の利回りは 0.065% 上昇し、4.678% になった。
- 米国の金利が上がる
- 日米の金利差が開く
- お金は金利の高いほうへ動く
- 円が売られ、ドルが買われる
- 介入で作った円高が押し戻される
日米共同声明の中身
8 月 3 日、片山さつき財務相とベセント米財務長官がそれぞれ談話を出した。
- 米国東部時間 7 月 31 日に協調円買い介入を実施したことを認めた
- 2025 年 9 月の日米財務大臣共同声明にもとづく措置と位置づけた
- 「さらなる協調介入もちゅうちょしない」との姿勢を表明した
この「ちゅうちょしない」という文言は、次があり得ると market に伝えることで、実弾を使わずに円安圧力を抑える狙いを持つ。ただし今週の値動きを見る限り、その効果も金利差の前では限定的だった。
セクター — 半導体が完全に戻り、内需と輸送が沈んだ
自作スクリーナー KAIRI で 279 銘柄を集計した。8 月 7 日大引け時点の 5 営業日騰落率(中央値)である。
| 業種 | 5 日騰落率(中央値) | 銘柄数 |
|---|---|---|
| 米国・Mag7 | +9.4% | 7 |
| 米国・半導体 | +5.1% | 13 |
| 素材・化学 | +3.3% | 25 |
| 情報通信 | +2.9% | 20 |
| 半導体(日本) | +2.5% | 10 |
| 電機・精密 | +2.3% | 29 |
| 金融 | +0.9% | 25 |
| 自動車 | −1.6% | 13 |
| 建設・不動産 | −1.7% | 16 |
| 運輸 | −2.4% | 18 |
半導体の 1 週間
| 時点 | 半導体(日本)10 銘柄の 5 日騰落率(中央値) |
|---|---|
| 8 月 1 日 | −15.8% |
| 8 月 3 日 | −5.4% |
| 8 月 7 日 | +2.5% |
6 営業日で 18.3 ポイント戻した。7 月末に「セクターまるごと売られた」と書いた状態は、いったん解消したことになる。
- イビデン +15.0%——週間で最も戻した
- ルネサスエレクトロニクス +9.5%——割安判定は継続
- SCREEN HD +3.6%——こちらも割安判定
- 一方で東京エレクトロン −1.5%、レーザーテック −1.1%、アドバンテスト −1.0%と戻っていない銘柄もある
沈んだのは自動車・建設・運輸
プラスが並ぶなかで、マイナスは自動車(−1.6%)、建設・不動産(−1.7%)、運輸(−2.4%)の 3 業種だった。
自動車は円高の影響を受ける代表格である。週明けの介入で円高に振れた分が、まだ株価に残っている。為替が 158 円台まで戻したことが今後どう効くかは、来週以降の値動きで確認することになる。
指数が 2% 上がった週に、下げている業種が 3 つある。「相場が good だった」で終わらせると、この差は見えない。
スクリーナーの全体像
- 割安判定は 279 銘柄中 42 銘柄(先週 48 銘柄から減少)
- 平均乖離は −9.0%(先週 −5.9% から拡大)
- 高信頼度の割安は 39 銘柄
株価が上がった分だけ、割安と判定される銘柄は減る。当然の動きである。なお乖離は目標 PER 15 倍を前提とした筆者の仮説にもとづく計算値であり、そのまま買える数字ではない。
来週見るべきこと
- 7 月の米雇用統計8 月 7 日の夜に発表される。結果次第で米金利が動き、為替に直結する。強ければ利上げ観測が強まり円安方向、弱ければ逆になりやすい。
- 介入が再び入るか共同声明は「さらなる協調介入もちゅうちょしない」としている。160 円が意識される水準になるかどうかが焦点になる。
- 決算発表のピーク8 月 7 日だけで 679 社が発表した。各社の想定為替レートと実勢の 158 円との差が、通期見通しの修正につながる。
- 半導体の戻りが続くか5 日騰落率は +2.5% まで戻したが、東京エレクトロンなど戻っていない銘柄もある。セクター全体の戻りなのか、一部銘柄の戻りなのかを見分ける。
今週の整理
- 日経平均は 週間 +1,304.59 円(+2.03%)。介入ショックから完全に回復
- 牽引したのは 8/5 の +2,342.91 円(+3.66%)
- 週間の値幅は 3,599 円、8/7 だけでも日中 1,339 円。中身は荒い
- 円は 155.23 円から 158.35 円へ。介入で動いた幅の 35.6% が 4 営業日で戻った
- 理由はウォーシュ FRB 議長の利上げ示唆と米 10 年債利回りの上昇(4.678%)
- 日米共同声明は「さらなる協調介入もちゅうちょしない」と表明
- 半導体は 6 営業日で 18.3 ポイント改善(−15.8% → +2.5%)
- 自動車・建設・運輸の 3 業種はマイナス。円高の影響が残る
- 割安判定は 48 → 42 銘柄に減少
介入は水準を作らない。作れるのは時間だけである。この 1 週間は、そのことを実際の数字で見せてくれた。
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よくある質問
- 2026年8月7日の日経平均の終値はいくらですか?
- 65,666.61円で、前日比16.65円安(−0.03%)でした。週間では先週末比1,304.59円高(+2.03%)となり、週明けの下落から回復しています。ただし当日の日中値幅は1,339.23円と大きく、高値65,990.72円から安値64,651.49円まで下げたあと引けにかけて戻しました。
- 日米の為替介入の効果はどうなりましたか?
- 一時的でした。7月下旬に164円に迫っていた円相場は8月3日に155.23円まで円高が進みましたが、8月7日には158.35円へ戻っています。介入で動いた8.77円のうち3.12円、35.6%が4営業日で戻った計算です。
- なぜ介入後に再び円安へ戻ったのですか?
- 米国の金利が上昇したためです。FRBのウォーシュ議長がインフレ高進時には利上げの用意があると報じられ、米10年物国債の利回りは0.065%上昇して4.678%になりました。日米の金利差が開くと資金は金利の高い通貨へ向かうため、円が売られやすくなります。
- 日米共同声明にはどんな内容が書かれていましたか?
- 2026年8月3日、片山さつき財務相とベセント米財務長官がそれぞれ談話を発表し、米国東部時間7月31日に協調円買い介入を実施したことを認めました。2025年9月の日米財務大臣共同声明にもとづく措置と位置づけ、「さらなる協調介入もちゅうちょしない」との姿勢を示しています。
- 半導体株は戻りましたか?
- 大きく戻りました。自作スクリーナーで日本の半導体10銘柄の5営業日騰落率の中央値を見ると、8月1日の−15.8%から8月7日には+2.5%へ、6営業日で18.3ポイント改善しています。ただし東京エレクトロン(−1.5%)など戻っていない銘柄もあり、セクター全体が一様に回復したわけではありません。
出典
- 日経平均・ドル円の各値はYahoo!ファイナンスの2026年8月7日大引け時点の公表値
- NHK「日経平均株価 値下がり AI・半導体関連中心に売り注文」(2026年8月7日)
- NHK「日米で協調介入 片山財務相 “さらなる実施もちゅうちょせず”」
- 時事通信「日米、円安阻止へ共同声明 片山財務相、3日対応表明へ」
- 日本経済新聞「日経平均株価、反発 終値は202円高の6万3957円」(2026年8月4日)
- 米10年債利回りおよびウォーシュFRB議長に関する報道(2026年8月7日時点)
- 業種別騰落率および割安判定は自作スクリーナー KAIRI による集計(2026年8月7日大引け時点、279銘柄)
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