株の「ロング」って何? — 取引用語を場面ごとに整理する【お金の勉強 第8回】

株の「ロング」って何? — 取引用語を場面ごとに整理する【お金の勉強 第8回】

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お金の勉強 / 第 8 回

ロングは「買い」とほぼ同じ。ただし、その「ほぼ」に意味がある。

分からない言葉が出てきたら止まる。株の世界には、分かったふりをさせる言葉が大量にあります。

結論

「ロング」は買い持ち、「ショート」は売り持ち。ロングは株価が上がると利益、ショートは下がると利益になる。なぜ「買い」と言わずにロングと言うのかというと、「買う」は行為を指し、「ロング」は上がると得をする状態を指すからだ。両方向に賭けられる世界では、行為ではなく向きを表す言葉が必要になる。この記事では、それ以外の基本用語も「いつ使うか」の場面ごとに整理する。

このシリーズは、最近 NISA を始めたばかりのわたしが、疑問をそのまま先生にぶつける形で進めます。先生は正確ですが、口は悪いです。

この記事の位置づけ用語の意味を整理する回です。特定の取引手法を推奨するものではありません。信用取引に関わる用語も説明しますが、仕組みを知ることと、実際に使うことは別です。
先生。ネットで株の話を読んでたら「ロング」って出てきて、意味が分からなくて止まりました。
Claude
止まったのは正しい判断です。分からない言葉を飛ばして読むと、分かった気になるだけで何も残りません。
買うことですよね? 辞書には「買い」って書いてありました。
Claude
ほぼ合っていますが、そこで終わると次でまた詰まります。今日はその「ほぼ」の部分をやります。
目次

① 方向の用語 — ロングとショート

Fig. ロングとショートFig. ロングとショート|ロングは株価が上がると利益、ショートは下がると利益になる。利益の出る向きが逆になる。
ロングは株価が上がると利益、ショートは下がると利益になる。利益の出る向きが逆になる。
用語意味利益が出るとき
ロング買って持っている状態(買い持ち)株価が上がったとき
ショート売って持っている状態(売り持ち)株価が下がったとき
ノーポジ何も持っていない状態——(損も得もしない)
「ロングする」「ショートする」と動詞のように使われることも多い。
「買い」でいいのに、なんでわざわざ「ロング」って言うんですか。
Claude
いい質問です。理由は、株は下がるほうにも賭けられるからです。
下がるほうに賭ける……?
Claude
持っていない株を、先に売ることができるんです。これがショート、日本語では空売りです。
持ってないものをどうやって売るんですか。
Claude
借りて売ります。証券会社から株を借りて市場で売り、あとで買い戻して返す。売った値段より安く買い戻せれば、その差が利益になります。
……頭がこんがらがってきました。
Claude
正常です。順番が逆になるので、慣れるまで気持ち悪い。普通は「安く買って高く売る」。ショートは「高く売って安く買う」。やっていることは同じで、順番だけが違います。

「買う」は行為を指す言葉。「ロング」は、上がると得をする状態を指す言葉である。

だから「ロング」と「ショート」は行為ではなく向きを表している。両方向に賭けられる世界では、「買った・売った」だけでは今どちら側にいるのか伝わらない。

日本株でショートをするには現物の口座だけではできません。信用取引の口座が必要です。仕組みは信用取引の仕組みで解説しています。なお、このサイトの筆者は空売りをしません。理由は私が空売りをしない理由に書きました。

② 持っているものの用語 — ポジションと建玉

用語読み方意味
ポジション——今どんな状態で持っているか。持ち高
建玉たてぎょく信用取引で持っている未決済のもの
建値たてね買った(売った)ときの値段
現物げんぶつ自分のお金で買って、そのまま持っている株
信用しんよう証券会社からお金や株を借りて売買すること
決済けっさい持っているものを反対売買して終わらせること
「建」がつく言葉は信用取引で使われることが多いが、建値は現物でも使う。
「ポジションを持つ」って言い方、聞いたことあります。
Claude
今どちら側にどれだけ賭けているか、という意味です。何も持っていない状態は「ノーポジ」と言います。
何も持ってないのに、わざわざ言葉があるんですか。
Claude
あります。そしてそれは重要な言葉です。「何も持っていない」というのは選択の結果であって、負けでも失敗でもない。
なんか、じわっと効きますね。
Claude
持っていないと落ち着かなくなる人が非常に多いんです。そういう人のために「買わない日」という記事もあります。

関連:「買わない日」をつくる — 候補ゼロの日にやること

③ 損益の用語 — 含みと実現

Fig. 建値・含み損益・実現損益の関係Fig. 建値・含み損益・実現損益の関係|建値を境に、上なら含み益、下なら含み損。売って決済したときにはじめて実現損益になる。
建値を境に、上なら含み益、下なら含み損。売って決済したときにはじめて実現損益になる。
用語意味
含み益まだ売っていないのに出ている利益
含み損まだ売っていないのに出ている損
実現損益売って確定した損益。ここではじめて税金の対象になる
平均取得単価複数回買ったときの、1 株あたりの平均の値段
ナンピン下がったところで買い増して、平均取得単価を下げること
含みは「まだ確定していない」、実現は「確定した」と覚えると迷わない。
含み益が 3 万円出てます。やった。
Claude
おめでとうございます。ただし、それはまだあなたのお金ではありません。
……え。口座に表示されてますけど。
Claude
表示されているだけです。売って決済するまでは、明日 3 万円の含み損になる可能性が普通にあります。「含み」というのは「まだ決まっていない」という意味です。
じゃあ売ったほうがいいですか?
Claude
そうは言っていません。長期の積立なら、含み益に一喜一憂しないことのほうがはるかに大事です。私が言っているのは「まだ確定していないものを、確定したものとして数えるな」ということだけ。

「塩漬け」という言葉について

「塩漬け」って言葉も見ました。かわいい響きですけど。
Claude
かわいくありません。あれは、いちばん質の悪い言葉です。
えっ。
Claude
意味は「大きな含み損を抱えたまま、売らずに放置している状態」です。それを保存食のように言い換えているだけです。
言われてみれば……。
Claude
「損切りできなかった」と言うと痛いので、「塩漬け」と言い換える。言葉を柔らかくすると、問題も柔らかくなった気がしてしまう。気がするだけで、口座の金額は 1 円も変わりません。

用語の中には、事実をやわらげるために使われるものがある。そこは疑ってかかっていい。

④ 売買のタイミングの用語

用語意味注意点
利確利益が出ている状態で売って確定させること早すぎることが多い、と言われがち
損切り損が出ている状態で売って確定させること遅れることが多い。最大の課題
押し目上昇の途中で一時的に下がった場面本当に「途中」かは後にならないと分からない
戻り下落の途中で一時的に上がった場面同上
高値掴み高いところで買ってしまうこと結果論でしか判定できない
ドテンロングからショート(逆も)へ一気に切り替えること初心者が手を出す場面ではない
「押し目」と「高値掴み」は、同じ行動が結果によって呼び分けられているだけである。
「押し目買い」と「高値掴み」って、何が違うんですか。
Claude
結果です。それだけです。
……え、それだけ?
Claude
買った時点では区別できません。そのあと上がれば「押し目買い」、下がれば「高値掴み」と呼ばれる。同じ行動に、後から違う名前がつくだけです。
じゃあ「押し目を狙う」って言い方はおかしくないですか。
Claude
厳密にはおかしい。ただ「下がったところで買いたい」という意図を表す言葉としては使われます。意図と結果を混ぜないこと。これは用語の話を超えて大事です。

⑤ 覚えなくていい用語もある

用語をすべて覚える必要はない。自分がやらない取引の用語は、意味を知っておけば十分である。

  • 追証(おいしょう)——信用取引で損が膨らみ、追加の保証金を求められること
  • 逆日歩(ぎゃくひぶ)——空売りが集中したときに発生する追加コスト
  • 両建て——同じ銘柄でロングとショートを同時に持つこと
  • ドテン——持ち高を反対方向へ一気に切り替えること

これらはすべて信用取引を使う人の言葉である。現物で積立をしている人には、当面まったく必要ない。

知らなくていいんですか?
Claude
「意味は知っている、でも使わない」が正解です。知らないと、他人の話を誤解します。でも、知っていることと、やることは別です。
先生も使わないんですか。
Claude
空売りはしません。考えることが二倍になるからです。上がるか下がるかに加えて、借りたものを返す期限まで考えることになる。

用語を覚えるより大事なこと

正直、まだ全部は覚えられてないです。
Claude
覚えなくていい。必要になったときに調べればいい。
じゃあ今日は何だったんですか。
Claude
「分からない言葉が出てきたら止まる」という癖をつけてもらうためです。株の世界には、分かったふりをさせる言葉が大量にあります。
塩漬けみたいな。
Claude
そうです。よく分かっています。用語を知る目的は、かっこよく話すことではありません。言葉にごまかされないためです。
……なんか今日、先生いいこと言いますね。
Claude
毎回言っています。あなたが聞いていなかっただけです。

今日のまとめ

  • ロング=買い持ち。上がると利益
  • ショート=売り持ち。下がると利益。日本株では信用取引の口座が必要
  • 「買う」は行為、「ロング」は上がると得をする状態を指す
  • 建値=買った値段。ここを境に含み益と含み損が決まる
  • 含み損益は、売るまで確定しない。実現損益になってはじめて税金の対象
  • 「塩漬け」は、損切りできなかった状態の言い換え
  • 「押し目買い」と「高値掴み」は、同じ行動の結果違い
  • 追証・逆日歩・両建て・ドテンは信用取引の言葉。意味は知り、使わなくていい
  • 用語を知る目的は、言葉にごまかされないこと

次回は注文のときに使う用語(成行・指値・逆指値・板)を扱う。ここは知らないまま注文すると、実際に損をしうる場所である。

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よくある質問

株の「ロング」とはどういう意味ですか?
株を買って持っている状態(買い持ち)を指し、株価が上がると利益になります。「買う」が行為を指すのに対し、「ロング」は上がると得をする状態を指す言葉です。反対に売り持ちの状態はショートと呼び、株価が下がると利益になります。
ロングとショートの違いは何ですか?
利益が出る方向が逆です。ロングは株価が上がると利益、ショートは下がると利益になります。ショートは持っていない株を証券会社から借りて先に売り、あとで買い戻して返す取引で、日本株では信用取引の口座が必要です。
含み益と実現損益の違いは何ですか?
含み益はまだ売っていない状態で出ている利益で、確定していません。売って決済した時点で実現損益となり、ここではじめて税金の対象になります。含み益は表示されているだけで、翌日には含み損になる可能性もあります。
「塩漬け」とはどういう意味ですか?
大きな含み損を抱えたまま、売らずに放置している状態を指します。実質的には損切りができなかった状態を柔らかく言い換えた表現であり、言葉が穏やかでも損失額そのものは変わりません。
「押し目買い」と「高値掴み」の違いは何ですか?
買った時点では区別できません。買ったあとに株価が上がれば押し目買い、下がれば高値掴みと呼ばれます。同じ行動に対して、結果によって後から違う名前がつけられているだけです。
建値とは何ですか?
買った(または売った)ときの値段を指します。現在の株価が建値より上なら含み益、下なら含み損になります。複数回に分けて買った場合は、1株あたりの平均である平均取得単価が基準になります。

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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