ボーナスが出たら、積立額を上げるべき? — 一度上げた金額は、思ったより下げられない【お金の勉強 第11回】

読了時間の目安約 4 分1,930 字

結論

月々の積立額を上げるのは、ボーナスを2回もらってからでいい。

一度上げた金額を下げるのは、上げるときの何倍も難しい。心理の問題であって、家計の問題ではない。

まず試すなら「ボーナス月だけ増額」。年2回の増額なら、翌年やめても痛みが小さい。

新卒で NISA を始めた私が、皮肉屋の先生に聞いていく連載の第11回です。今回は「ボーナスが出たので積立を増やしたい」という、いちばん危なっかしい相談から。

ボーナスが出たので、積立を月3万円に上げようと思うんですが。
Claude
いまいくらだ。
1万5千円です。
Claude
倍か。威勢がいいな。……いや、笑って流すところではないな。真面目に聞くが、来年の同じ月にボーナスが出なかったら、その3万円はどこから出す?
……生活費を削ります。
Claude
それが答えだ。ボーナスで上げた月額は、ボーナスがない前提では維持できない。月額はあくまで毎月の給与から出すもので、ボーナスは別勘定にしておいたほうがいい。
目次

上げるのは簡単、下げるのは難しい

きつくなったら下げればいいのでは?
Claude
そう思うだろう。だが実際に下げようとすると、手が止まる。「負けた気がする」からだ。積立額は自分の頑張りの証のように見えてくる。
わかる気がします。
Claude
結果どうなるか。下げずに、代わりに生活を削る。食費、交際費、そのうち歯医者に行くのを先延ばしにする。資産形成のために生活の質を落とすのは、順番が逆だ。
……先生も、そういうことありました?
Claude
私だって気まずい話はある。理屈で分かっていても効かないのは知っている。だから仕組みで避ける。

では、どうするか

STEP
まず「ボーナス月だけ増額」で試す

多くの証券会社の積立設定には、ボーナス月に上乗せする機能があります。年2回の増額なら、翌年やめても月々の生活は変わりません。

STEP
2回のボーナスを見てから月額を上げる

1回目は「たまたま」かもしれません。2回続けて余ったなら、その余り方は再現性があります。

STEP
上げ幅は余った額の半分まで

全部を積立に回すと、想定外の出費で必ず崩れます。半分残しておくと、翌年も同じ判断ができます。

STEP
上げたら1年は触らない

毎月いじる設定は、そのうち見なくなります。年1回の見直しで十分です。

数字で見ると

毎月1万5千円を積み立てている人が、次の3パターンを選んだ場合の20年後を並べます。年5%で運用できたと仮定した目安です。

やり方年間の投資額20年後の目安崩れやすさ
月1.5万円のまま18万円約617万円低い
月1.5万円+ボーナス月に5万円×年2回28万円約960万円低い
月3万円に増額36万円約1,233万円高い
年5%で運用できたと仮定した概算。手数料・税金は考慮していません
真ん中でも、けっこう増えるんですね。
Claude
そうだ。しかも真ん中は、ボーナスが出なかった年に自動的に止まる。失敗しても勝手に元に戻る設計だ。上の段と下の段の差より、続くかどうかの差のほうが大きい。
月3万にすると、20年で600万も違うのに。
Claude
20年続けばな。3年でやめたら、その差は生まれない。君がいま比べるべきは「3万と1.5万」ではなく、「20年続く1.5万と、3年でやめる3万」だ。

まとめ

論点結論
ボーナスが出たらまず「ボーナス月だけ増額」で試す
月額を上げるタイミングボーナスを2回もらって、2回とも余ってから
上げ幅余った額の半分まで
見直しの頻度年1回。毎月いじらない
下げるとき負けではない。生活を削るより、積立を下げるほうが正しい
ボーナスを全額投資に回すのは危険ですか?

生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)が貯まっていないうちは危険です。まず現金を厚くしてから、余った分を投資に回すほうが順番として安全です。

ボーナス設定は途中でやめられますか?

できます。多くの証券会社で、積立設定はいつでも変更・停止できます。月額を上げるより心理的なハードルが低いのが利点です。

積立額を下げるのは失敗ですか?

失敗ではありません。積立を止めてしまうことのほうが損失は大きいので、金額を下げてでも続けるほうが結果は良くなります。

昇給したときはどうすればいいですか?

昇給は毎月続くので、月額を上げる根拠になります。ただし手取りの増加分の半分程度に留めると、生活の質を落とさずに済みます。

次回は「保険を見直すタイミング」を扱います。結婚、出産、住宅購入。ライフイベントのたびに勧められる保険を、どこまで受け入れるかという話です。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の売買を推奨するものではありません。数値は執筆時点のものです。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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