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単身者向けの「手取りの何割」という目安は、子育て世帯にはそのまま当てはまらない。
教育費という延期できない支出を抱えながら、老後資金も並行して積む。この二正面をどう配分するかという問題である。
積立額の目安として「手取りの 10〜20%」といった数字がよく示される。単身者にはおおむね妥当だが、子育て世帯では前提が変わる。
理由は単純で、支出の絶対額が大きく、かつ削減余地が小さいからである。
三つの支出が同時に走る

注意すべきは老後資金だけが「先送りできてしまう」という点である。教育費や住居費は期限が来れば払わざるを得ないが、老後資金は今年やめても誰にも困らない。
だから意識して確保しない限り、老後資金は常に後回しになる。この構造を理解しておくことが出発点になる。
決める順序
- 生活防衛資金を厚めに確保する子育て世帯は生活費の絶対額が大きく、削減も難しい。単身者の 3 か月分に対し、6 か月分を目安にしたい。
- 数年内に確実に使う教育費を預貯金へ分ける入学金・受験費用など、時期と金額が読めるものは値動きのある資産に置かない。
- 残った金額から積立額を決める「積立を先に決めて生活費を削る」という順序にすると、家計が回らなくなったときに真っ先に積立が止まる。
- 片方の収入が止まった場合を想定する産休・育休・時短勤務・病気。共働き前提の積立額は、片方が止まった時点で維持できなくなる。
児童手当をどう扱うか
児童手当を全額そのまま積み立てる、という運用はよく紹介される。仕組みとしては分かりやすい。
ただし前提として、その手当がなくても家計が回っている必要がある。生活費に組み込まれている場合、積立に回した時点で家計は赤字になる。
積み立てられる額は、収入からではなく「使わずに済んだ額」から決まる。
NISA の枠は夫婦それぞれにある
見落とされがちだが、NISA 口座は一人一口座である。夫婦であればそれぞれが年 360 万円、生涯 1,800 万円の枠を持つ。
世帯で見れば年 720 万円、生涯 3,600 万円になる。枠が足りなくなる世帯は多くないが、名義を分けておくと将来の取り崩しでも柔軟性が出る。
目安ではなく、自分の数字で決める
金額の目安を探すより、実際に計算したほうが早い。積立シミュレーターに金額と年数を入れれば、将来の概算が出る。
そのうえで「この金額を 10 年続けられるか」を自問する。続けられないと感じたら、それは金額が大きすぎるということである。
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よくある質問
- 子育て世帯は毎月いくら積み立てるべきですか?
- 一律の目安はありません。生活防衛資金を6か月分確保し、数年内に使う教育費を預貯金に分けたうえで、残った金額から決めるのが順序です。共働きの場合は、片方の収入が止まっても続けられる水準にしておくことを推奨します。
- 児童手当は全額投資に回すべきですか?
- 手当がなくても家計が回っている場合に限られます。生活費に組み込まれている場合、積立に回すと家計が赤字になります。
- 夫婦それぞれNISA口座を持てますか?
- 持てます。NISA口座は一人一口座なので、夫婦であればそれぞれが年360万円、生涯1,800万円の枠を持ちます。世帯では年720万円になります。
- 教育費と老後資金はどちらを優先すべきですか?
- 教育費は時期が決まっていて延期できず、老後資金は先送りできてしまうという非対称があります。放置すると老後資金が圧迫されるため、意識して両方に配分する必要があります。
本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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