20代のNISA積立額は月26,737円 — 金融庁データを実際に動いている口座で割り直す

20代のNISA積立額は月26,737円 — 金融庁データを実際に動いている口座で割り直す

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NISA 徹底解説 04 / 拠出額の実態

平均積立額の記事はアンケートを引いている。国が実際の買付記録を公表しているのだから、そちらで計算する。

金融庁の公表データを使い、実際に買付があった口座だけで割り直した。20 代は月 26,737 円である。

「20代の平均積立額は月◯万円」という数字は、アンケート調査を出典にしていることが多い。回答した人だけを対象にした数字であり、実態とはずれる。

そこで金融庁が公表している NISA 口座の利用状況調査から、自分で計算し直した。使ったのは 2025 年 12 月末時点の公表データである。

目次

結論:20代は月 26,737 円

Fig. 年代別・1口座あたりの月額買付額Fig. 年代別・1口座あたりの月額買付額|金融庁「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点)」の年代別買付額と口座数から筆者が算出。
金融庁「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点)」の年代別買付額と口座数から筆者が算出。
年代稼働口座数稼働率年間買付額/口座月あたり
20 歳代1,928,06157.1%320,843 円26,737 円
30 歳代3,147,31863.0%449,698 円37,475 円
40 歳代3,165,60558.2%466,359 円38,863 円
50 歳代3,014,69254.0%471,293 円39,274 円
60 歳代1,830,48243.4%500,188 円41,682 円
70 歳代681,75121.8%480,329 円40,027 円
全年代13,902,30448.8%448,480 円37,373 円
つみたて投資枠のみ。2025 年 1 月 1 日〜12 月 31 日の買付額を、同期間に買付があった口座数で割った値。80 歳代以上は口座数が少なく数値が振れるため除外した。

20代は全年代平均を 1 万円以上下回る。これは所得を考えれば自然な結果である。

計算方法

金融庁は年代別に二つのデータを公表している。年間の買付額と、年間買付額ごとの口座数の分布である。

後者には「0 円」という区分がある。これは2025 年 1 月 1 日から 12 月 31 日まで一度も買付がなかった口座を指す。この区分を除いた口座数で買付額を割れば、実際に積み立てている人の平均が出る。

Fig. 20代の口座の内訳Fig. 20代の口座の内訳|口座を作っただけで動かしていない人が 4 割を超える。この層を分母に含めると平均は実態より低く出る。
口座を作っただけで動かしていない人が 4 割を超える。この層を分母に含めると平均は実態より低く出る。

20代の口座の 42.9% は 1 年間動いていない

計算の途中で出てきた数字のほうが、平均額より重要かもしれない。

20代のつみたて投資枠の口座は 3,376,893。このうち 1,448,832 口座、42.9% が 2025 年中に一度も買付をしていない

口座を開設した人の 4 割超が、そのまま止まっている。始めることと続けることの間には、それだけの落差がある。

稼働率は 30 代で 63.0% と最も高く、そこから年齢が上がるにつれて下がる。20 代の 57.1% は、全年代平均の 48.8% より高い。20 代は「始めたが動かしていない人の比率」がとくに高いわけではない。金額が小さいだけである。

アンケート調査の数字とずれる理由

民間調査では 20 代の平均積立額を月 4 万円前後とするものがある。この差は調査の性質から生じる。

  1. 回答者が偏る——金融サービスの利用者を対象にした調査では、関心が高く金額も大きい層が集まりやすい
  2. 自己申告である——実際の買付額ではなく、記憶や意図が混ざる
  3. 母数が小さい——数百人から千数百人の回答をもとにした推計になる

金融庁のデータは全金融機関の実際の買付記録を集計したものである。対象は 2,800 万口座を超える。どちらが実態に近いかは明らかだろう。

この数字をどう使うか

26,737 円という数字は目標ではない。他人がいくら出しているかは、自分がいくら出せるかとは無関係である。

使い道があるとすれば一つだけだ。自分の金額が極端に外れていないかを確認することである。月 5,000 円でも問題はないし、月 10 万円出せるならそれでいい。

  1. 生活防衛資金を先に確保する生活費の 3〜6 か月分を現金で持つ。これが無いまま積立額を増やすと、下落局面で売却を強いられる。
  2. 固定費を引いた残りの 7 割を上限にする全額を積立に回すと、想定外の支出で破綻する。余白を残すことが継続の条件になる。
  3. 金額より継続を優先する42.9% が止まっているという事実が示すのは、続けること自体が難しいということである。

自分の金額でいくらになるかは 積立シミュレーター で計算できる。

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よくある質問

20代のNISAの平均積立額はいくらですか?
金融庁「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点)」から算出すると、つみたて投資枠で実際に買付があった口座の1口座あたり月額は26,737円です。全年代平均は37,373円です。
なぜアンケート調査と数字が違うのですか?
アンケートは回答者が偏り、自己申告であり、母数も限られます。金融庁のデータは全金融機関の実際の買付記録を集計したもので、対象は2,800万口座を超えます。
NISA口座を作っただけで使っていない人はどれくらいいますか?
20代のつみたて投資枠では、口座の42.9%が2025年中に一度も買付をしていません。全年代では51.2%が未稼働です。
平均額に合わせて積立額を決めるべきですか?
必要ありません。他人の金額と自分が拠出できる金額に関係はありません。生活防衛資金を確保したうえで、固定費を引いた残りから無理のない額を決めてください。

出典

  • 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(2025年12月末時点)」別紙1(2026年7月3日公表)
  • 同資料の年代別買付額および年間買付額別口座数の分布から筆者が算出

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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