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お金の基礎 12 / 贈与税
「110 万円の贈与が使えなくなった」という話が流れているが、廃止されてはいない。変わったのは加算される期間である。
2024 年の改正で二つの制度が同時に動いた。結果として、どちらを選ぶかの判断が変わっている。
結論
年 110 万円の非課税枠は廃止されていない。変わったのは 2 点。暦年課税では相続前の加算対象が 3 年から 7 年へ延長された(延長された 4 年分は総額から 100 万円を控除)。そして相続時精算課税に 年 110 万円の基礎控除が新設され、この分は相続財産に加算されない。
目次
二つの制度の違い

暦年課税 — 従来からの方式
1 月 1 日から 12 月 31 日までの 1 年間に受け取った贈与について、年 110 万円までは贈与税がかからない。届出も不要である。
改正されたのは相続時の扱いだ。贈与者が亡くなったとき、それ以前の一定期間の贈与は相続財産に加算される。この期間が死亡前 3 年から 7 年へ段階的に延長された。
延長された 4 年分には 100 万円の控除がある死亡前 3 年超〜7 年以内の贈与については、その期間の贈与総額から 100 万円を差し引いた額が加算対象となる。全額が加算されるわけではない。
相続時精算課税 — 2024 年から使いやすくなった
こちらは届出をして選択する方式である。累計 2,500 万円まで贈与税がかからず、相続時に精算する。
2024 年の改正で、年 110 万円の基礎控除が新設された。この 110 万円以下の部分は贈与税がかからず、しかも相続財産に加算されない。累計 2,500 万円の特別控除も消費しない。
相続時精算課税の年 110 万円は、加算されないという点で暦年課税より有利な場面がある。
選択の注意点
- 同じ贈与者からは併用できない——父からの贈与を暦年課税、母からの贈与を相続時精算課税とすることはできるが、父からの贈与について両方を使うことはできない
- 相続時精算課税は一度選ぶと戻せない——その贈与者からの贈与について、以後ずっとこの方式が適用される
- 届出が必要——選択する年の翌年の申告期間に「相続時精算課税選択届出書」を提出する
どちらが向くか
| 状況 | 向いている制度 | 理由 |
|---|---|---|
| 相続まで期間が長い | 暦年課税 | 7 年より前の贈与は加算されない |
| 相続が近い可能性がある | 相続時精算課税 | 年 110 万円以下は加算されない |
| まとまった額を早く渡したい | 相続時精算課税 | 累計 2,500 万円まで贈与税がかからない |
| 柔軟性を残したい | 暦年課税 | 一度選ぶと戻せない制度を避けられる |
この分野は個別性が高い相続財産の総額、法定相続人の数、他の特例の適用可否によって最適解は変わる。金額が大きく、やり直しがきかない領域であるため、実行前に税理士への相談を推奨する。
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よくある質問
- 贈与税の110万円の非課税枠は廃止されましたか?
- 廃止されていません。暦年課税の年110万円の基礎控除は継続しています。変わったのは相続時に加算される期間が3年から7年へ延長された点です。
- 相続前7年の贈与は全額加算されますか?
- 死亡前3年以内の贈与は全額が加算されます。3年超〜7年以内の贈与については、その期間の贈与総額から100万円を差し引いた額が加算対象です。
- 相続時精算課税の年110万円とは何ですか?
- 2024年の改正で新設された基礎控除です。年110万円以下の贈与は贈与税がかからず、相続財産にも加算されません。累計2,500万円の特別控除も消費しません。
- 暦年課税と相続時精算課税は併用できますか?
- 同じ贈与者からの贈与については併用できません。父からは暦年課税、母からは相続時精算課税といった使い分けは可能です。
出典
- 国税庁「贈与税」および令和5年度税制改正にもとづく暦年課税・相続時精算課税の取扱い(2024年1月1日以後の贈与に適用)
本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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