NISAのクレカ積立は有利か — 月10万円時代の損得と、確認すべき5項目

NISA 徹底解説 03 / 決済方法の選択

投資の腕前とはまったく無関係に得られる利益がある。取り逃がしているなら、それは相場のせいではない。

クレカ積立の上限は月 10 万円。つみたて投資枠の年 120 万円と、狙ったように一致する。制度の骨格と、申込前に確認すべき点を整理する。

投資信託の積立は、銀行引落のほかクレジットカード決済を選択できる証券会社がある。同一商品を同一金額で購入するのであれば、ポイント還元の分だけカード決済が有利になる

これは投資判断の巧拙とは無関係な、純然たる事務手続きの問題である。だからこそ最初に処理しておく価値がある。

目次

上限は月 10 万円 — つみたて投資枠と一致する

Fig. クレカ積立の上限と還元 クレカ積立の対象になるのは月 10 万円まで 月 10 万円 — カード決済でポイント対象 超えた分は現金決済 ポイント対象外 つみたて投資枠は年 120 万円=月 10 万円。つまりつみたて投資枠はカード決済で埋めきれる計算になる。 還元率別・月 10 万円を 1 年間積み立てた場合のポイント 0.5% 6,000 pt 1.0% 12,000 pt 3.0% 36,000 pt
月 10 万円を超過した分はカード決済の対象外となる。還元率が同一でも、積立額が異なれば年間ポイントは変わる。

クレカ積立の上限は月 10 万円へ引き上げられた。つみたて投資枠は年 120 万円、すなわち月 10 万円であるから、つみたて投資枠は全額をカード決済で充当できる計算になる。

還元率月 3 万円月 5 万円月 10 万円
0.5%1,800 pt3,000 pt6,000 pt
1.0%3,600 pt6,000 pt12,000 pt
2.0%7,200 pt12,000 pt24,000 pt
3.0%10,800 pt18,000 pt36,000 pt
年間ポイントの単純計算(還元率 × 積立額 × 12 か月)。実際の還元率は証券会社とカードの組合せ、カードのランク、年間利用額等の条件により変動する。
この表の位置づけポイントは投資の成果ではなく、決済手段の選択によって生じる固定的な上乗せである。相場の方向にかかわらず一定額が付与される。それゆえ一度確認しておく価値がある。

申込前に確認すべき 5 項目

  1. 年会費と還元率の均衡高還元のカードには年会費を伴うものが多い。「年間ポイント − 年会費」で評価しなければ、率のみを見て実質的に損をする。積立額が小さいほど年会費の相対的な重みは増す。
  2. 還元率が頻繁に改定される前提を置くクレカ積立の還元条件は各社が繰り返し見直している。現行の還元率が継続するという前提で年会費の高いカードを選ぶのは合理的でない。申込時点の公式情報を確認すること。
  3. カードのランクによる条件差同一の証券会社であっても、一般・ゴールド・プラチナで還元率は段階的に異なる。加えて「年間利用額が一定以上」といった付帯条件が課される場合がある。
  4. 買付日が指定できない場合があるカード決済による積立は買付日が固定されていることがある。給与日との関係、引落日を把握していないと残高不足で決済が成立しない。
  5. 保有残高に対するポイントとは別制度である「買付時のポイント」と「保有残高に応じて付与されるポイント」は別個の制度である。両方を備える証券会社もあるため、合算して比較すると差が明確になる。

ただし本質は「何を、いくら積み立てるか」にある

念のため付言しておく。クレカ積立により得られるのは年間で数千から数万ポイント程度である。これに対し、信託報酬の差や積立額そのものが長期の結果に及ぼす影響は桁が異なる

還元率の小数点以下を比較する熱意の十分の一でも信託報酬に向ければ、桁の違う差が出る。

ファンド選択の基準は「eMAXIS Slim はなぜ定番とされるのか」に、枠の使い分けは「つみたて投資枠と成長投資枠の違い」にそれぞれ整理した。

ポイントの取扱いについてポイントの税務上の取扱い、およびポイント投資の可否は制度および各社規約による。金額が大きくなる場合には、各社の説明と国税庁の情報を確認されたい。

よくある質問

NISAのクレカ積立は月いくらまで可能ですか?
上限は月 10 万円です。つみたて投資枠は年 120 万円(月 10 万円)であるため、つみたて投資枠は全額をクレジットカード決済で充当できます。
月 10 万円を超えた分にもポイントは付与されますか?
付与されません。上限超過分は証券口座からの引落等による決済となり、カードのポイント還元の対象外です。
還元率の高いカードを選べば有利ですか?
年会費を控除して評価する必要があります。また還元条件は改定されることが多いため、現行率の継続を前提に年会費の高いカードを選ぶのは避けるのが無難です。
クレカ積立と銀行引落で購入できる商品は変わりますか?
商品自体は基本的に変わりません。相違点は決済手段、ポイント還元の有無、および買付日の指定範囲です。

出典

  • 金融庁「NISAを知る」(つみたて投資枠の年間投資枠)
  • 各証券会社・カード会社の公式案内(還元率・上限額は改定されるため申込時に要確認)

本記事は公開情報にもとづく個人の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度・手数料・ポイント還元の条件は改定されることがあります。実際のご判断は必ず金融庁・各運用会社・各証券会社の最新の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。

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