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監視279銘柄のうち「割安」判定は41銘柄。ただしこれをそのまま買い候補とは呼べない。
信頼度highに絞ると28、評価モデル全一致まで求めると17まで減る。
さらにEPSの出所が食い違う34銘柄を最初から外している。ここを飛ばすと、去年の私と同じ失敗をする。
自作の株価スクリーナー「KAIRI」の判定を、実際の相場で検証していく記録です。今回は8月15日時点のスナップショットを使って、「割安」という言葉がどれだけ雑な括りかを数字で示します。
41銘柄を、そのまま買い候補と呼んではいけない
スクリーナーが「割安」と言うのは、単に理論価格より現在価格が低いというだけの話である。理論価格の計算に使った数字が怪しければ、その割安はただの計算違いだ。だから私は、判定が出たあとに三段階で削る。
| 段階 | 残った数 | 何を落としたか |
|---|---|---|
| ① 割安判定 | 41 銘柄 | 理論価格より安い、というだけの集合 |
| ② 信頼度 high | 28 銘柄 | アナリスト数が少ない、指標が欠けているなど、根拠の薄いものを除外 |
| ③ 全モデル一致 | 17 銘柄 | PER・PBR・配当など複数モデルのうち一つでも「割安でない」と言えば除外 |
| ④ EPSの出所を確認 | 17 銘柄 | 会社予想とアナリスト予想が食い違う 34 銘柄は、②③の前に除外済み |
④の工程を飛ばすと、どうなるか
去年、私はこれで一度失敗している。スコア1位だった銘柄が、会社予想のEPSで計算し直したら割安どころか割高だった。アナリストの強気予想を使って理論価格を出していたためである。
いまは各銘柄のEPSがどこから来た数字かをフラグで持たせていて、今回のスナップショットでは34銘柄が「会社予想とアナリスト予想が食い違う」状態だった。279のうち約12%。この12%を素通りさせると、割安リストの上位が丸ごと入れ替わることがある。
「割安」の反対語は「割高」ではなく、「まだ確認していない」である。
残った17銘柄の顔ぶれ
参考までに、乖離率の大きい順に並べたものを載せておく。これは買い推奨ではない。ここから先は、決算短信を開いて前提を自分で確かめる工程が必ず入る。
| 銘柄 | 乖離率 | PER | PBR | 配当利回り | セクター |
|---|---|---|---|---|---|
| 積水ハウス(1928) | +64.4% | 9.1倍 | 1.03倍 | 4.24% | 建設・不動産 |
| 大和ハウス工業(1925) | +53.2% | 9.8倍 | 0.98倍 | 2.00% | 建設・不動産 |
| トヨタ紡織(3116) | +48.4% | 8.1倍 | 0.81倍 | 3.84% | 自動車 |
| アサヒグループHD(2502) | +47.7% | 12.2倍 | 0.85倍 | 3.56% | 食品 |
| 北海道電力(9509) | +43.0% | 7.7倍 | 0.47倍 | 3.16% | 資源・電力ガス |
| JR東海(9022) | +42.9% | 9.1倍 | 0.71倍 | 0.83% | 運輸 |
| 日立建機(6305) | +39.2% | 12.9倍 | 1.28倍 | 3.42% | 機械・重工 |
| ニデック(6594) | +36.8% | 14.6倍 | 1.81倍 | 1.44% | 電機・精密 |
建設・不動産が2社上位に来た理由を疑う
気になったのは、上位に積水ハウスと大和ハウス工業が並んだことである。同じセクターの銘柄が揃って「割安」に見えるときは、個別の話ではなくセクター全体が売られていると考えたほうがいい。
金利が上がる局面で不動産関連が売られるのは、教科書どおりの反応だ。政策金利は昨年末に0.75%へ引き上げられ、長期金利も高い水準にある。借入コストが上がれば、不動産の事業モデルは素直に苦しくなる。
つまりこの2社の「割安」は、市場が値段を間違えているのではなく、市場が金利上昇を織り込んでいるだけかもしれない。スクリーナーは金利の先行きを知らないので、ここは人間が判断するしかない。
次にやること
会社の期初予想と、直近の修正後予想。スクリーナーが使ったEPSと一致しているかを見る。
個別銘柄が売られているのか、セクターごと売られているのかを分ける。後者なら理由は金利や規制であることが多い。
安く見える理由が分からないうちは、一度に入れない。判断が外れたときに検証できる大きさに留める。
- 乖離率が大きいほど有望ですか?
いいえ。乖離率が大きいということは、市場の評価と理論価格が大きく食い違っているということです。理論価格が正しければお買い得ですが、市場のほうが正しいことも同じくらいあります。乖離が大きいときほど、その理由を先に探すべきです。
- なぜ会社予想とアナリスト予想が食い違うのですか?
会社予想は保守的に置かれることが多く、アナリスト予想は直近の業績や市況を反映して強気になりがちだからです。どちらが正しいかではなく、どちらを使って計算したかを意識することが大切です。
- 同じ業種が並んだときはどう考えますか?
個別企業の問題ではなく、業種全体に共通する要因(金利、規制、原材料価格など)が働いていると考えます。その要因が一時的なら好機ですが、構造的なら安いままであり続けます。

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